熱中症の重症度……I度・II度・III度

暑い環境にいると熱中症を起こします

暑い環境にいると熱中症を起こします

「熱中症」と一言で言っても、「熱失神」「熱痙攣」「熱疲労」「熱射病」の4つに分類することができます(詳しくは「熱中症の症状・治療・応急処置」「真夏の電力制限……医師として薦めたい熱中症対策」をご覧ください)

これらは必要となる治療の程度から、日本救急医学会では2000年以降、I度(現場での応急処置で対応できる軽症)、II度(病院への搬送を必要とする中等症)、III度(入院して集中治療の必要性のある重症)のの3つを提唱しております。


■I度の熱中症症状……現場での応急処置で回復できる軽症
  • めまい、失神(立ちくらみ)…熱失神に相当
  • 筋肉痛、筋肉の硬直(筋肉のこむら返り)…熱痙攣に相当
  • 大量の汗、手足のしびれ・気分の不快
■II度の熱中症症状……医療機関への搬送や受診を必要とする中等症
  • 頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感…熱疲労に相当
■III度の熱中症症状……入院して集中治療の必要性がある重症
  • 意識障害、痙攣、手足の運動障害 
  • 高体温…熱射病に相当
  • 肝機能異常、腎機能障害、血液凝固障害…医療機関で診断される
この分類によって、重症化の早期発見と早期治療が可能となりました。専門用語による分類ではなく症状でわかるため、一般の方にもわかりやすいでしょう。年齢別に見ると、子どもの場合はI度が多く、高齢者はIII度が多くなっています。上のI度からIII度までのような症状が、暑い環境で起これば、「熱中症」が疑われます。
 

熱中症を起こしやすい因子・原因

熱中症は、実は、猛暑の日より梅雨明けに多く発生しています。熱中症の危険因子として挙げますと、
  • 気温が高い
  • 湿度が高い
  • 風が弱い
  • 日差しが強い
  • 閉めきった屋内、長時間の屋外
  • 照り返し(輻射熱)が強い(地面が暖まって発生する熱を「輻射熱」と言います)
  • 気温の急な上昇
  • 体調不調や、汗をかきやすいかどうかの体質
  • 糖尿病や心臓病などの基礎疾患のある人
  • 低栄養状態であったり、インフルエンザや胃腸炎などで脱水になっている人
  • 高齢者、乳幼児、肥満の方
  • 激しい運動や慣れない運動をしたとき
などです。これらの因子に対する対策が予防になります。
 

熱中症の対策法

携帯熱中症計

携帯熱中指標計を実際に使ってみました。温度と湿度が表示されます

自分の置かれている環境を知ることが大切です。温度、湿度などを総合的に測定して、5段階の危険度を知らせてくれる「携帯型熱中指標計」があります。これを1つの助けにしてもいいかもしれません。
携帯型熱中指標計「見守りっち」付き熱中症対策ガイド(マイナビ社) 定価:2090円
  • 気温が高い…日陰に移動したり、冷房のある屋内に移動したりしましょう
  • 湿度が高い…屋内なら除湿機を使ってみましょう
  • 風が弱い…扇風機、団扇、扇子などで風を起こして、体温の上昇を防ぎましょう
  • 日差しが強い…日陰に移動したり、直射日光を避けましょう
  • 閉めきった屋内、長時間の屋外…エアコンなどを使用したり、換気したり、屋外の活動を減らしましょう
  • 照り返し(輻射熱)が強い…コンクリートやアスファルトの上は避けましょう
  • 気温の急な上昇…天気予報に注意して、暑くなる時には水分補給などで脱水予防をしておきましょう
  • 体調や、汗をかきやすいかどうかの体質…規則正しい生活、バランスのとれた食事が大事。暑さも徐々に体を慣らしてきましょう
  • 糖尿病や心臓病などの基礎疾患のある人…基礎疾患をしっかりと管理しておきましょう
  • 低栄養状態であったり、インフルエンザや胃腸炎などで脱水になっている人…しっかりと療養しておきましょう
  • 高齢者、乳幼児、肥満の方…熱中症の危険因子を避けるようにしましょう
  • 激しい運動や慣れない運動をしたとき…準備運動したり、無理な運動を避けましょう。
熱中症は予防できる病気です。
 

熱中症I度の応急手当法・対処法

II度、III度は医療機関での処置になります。II度では症状によっては、I度の対応により積極的に身体を冷やすことで対応することもできますが、救急搬送を考えながら対応しておきたいものです。そのため、今回は、I度の対処方法を紹介します。


熱中症を疑う上記の症状があれば、まずは、意識の状態を見ましょう。意識が無い場合は救急隊に連絡した方がいいでしょう。意識がある場合は、まずは、涼しい所に移動させましょう。

次に、できれば衣服を脱がせて、熱を逃がします。皮膚に水をかけたり、団扇や扇子であおいだり、氷で冷やしたり、とにかく、体温を下げましょう。水分補給が可能なら、水分と高血圧でなければ、塩分を含む水分を十分に取るようにします。

これで改善がないと、I度ではないので、救急隊に連絡しましょう。
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