アユタヤのムエタイ祭、
ミラクルムエタイフェスティバル
ムエタイのルーツ「ムエカッチュアク(タイ拳法)」のデモンストレーションもフェスティバルで披露された
世界遺産にも登録されているアユタヤはバンコクから日帰りでも訪れることのできる超有名&メジャーな観光スポット。タイに初めて訪れる人がバンコクの3大寺院(エメラルド寺院、ワットワルン、ワットポー)と並んで「必ず訪れる場所」です。
そんな人気観光地のアユタヤで、日本ではまだ”知る人ぞ知る”存在ですが、現地ではかなり盛り上がっている人気のお祭りがあるのをご存知ですか? それが「ミラクル・ムエタイ・フェスティバル(Miracle Muay Thai Festival)」。今回はこれから日本人観光客の間でもメジャーなお祭りとして知られるようになること間違いなし!のミラクル・ムエタイ・フェスティバルのご紹介です。
ミラクル・ムエタイフェスティバルとは?
ナーイ・カノムトムを讃えるイベントでは象に乗って世界中から集まったムエタイ戦士たちがパレードを行った
ご存知の通りムエタイ(タイのキックボクシング)はタイの国技で、3月17日はムエタイの日。18世紀、アユタヤ王朝の時代に、ムエタイのルーツ「ムエカッチュアク(タイ拳法)」の使い手であるナーイ・カノムトムが、ビルマ(現ミャンマー)軍との戦いに敗れ捕らわれの身となったのですが、ビルマの王が「ビルマ軍兵士10人と戦い、全員に勝てたら自由の身にしてやろう」と約束をしました。彼はその10人を相手に次々に勝利を収め、タイ人捕虜の開放を勝ち取ります。そんな伝説から彼は英雄となり「ムエタイの父」と呼ばれるようになりました。その後、偉大な彼を称え3月17日がナーイ・カノムトム記念日となり、現在では「ムエタイの日」となったのです。
アユタヤ王朝時代、ビルマ兵士を倒してタイ人捕虜を解放したナーイ・カノムトムの銅像
その時期にあわせて約1週間にわたり、バンコクやアユタヤなどで関連イベントや大会が開催されるのですが、なかでもメインのイベントは3月17日、18日にアユタヤ観光センター広場で開催される「ミラクル・ムエタイ・フェスティバル(Miracle Muay Thai Festival)」。このお祭りでは、試合前に神に捧げる踊り「ワイクルー」の儀式や古式ムエタイの演舞、そしてプロのムエタイ大会が開催されます。
タイの国技を遺跡に囲まれて観戦できる贅沢!
目の前で見るムエタイは迫力満点!思わずタイ人の観客と一緒に大声で応援してしまう
タイに来たら一度は観戦してみたいムエタイですが、バンコク市内でプロの試合を見るとほとんどの場所は有料。しかも会場ではおじさんたちが大声だしながら賭けなんかもやっていて普通の日本人にはちょっと居辛い環境だったり……。けれど、このお祭りではプロの白熱した試合(2012年はタイトルマッチもありました)が無料観戦できるのです。ここでは賭けをやっている人もいなくて雰囲気も健全! アユタヤの遺跡観光もできて本格的なムエタイも観戦もできるなんて観光の楽しみ方としてはなんとも贅沢! 一石二鳥だと思いませんか?
日本人選手も頑張ってます
今年の大会で活躍した日本人ジュニアの選手たち
日本人選手が試合のためにタイに遠征したり、タイにムエタイ留学していますが、このお祭りでも日本人選手が数名試合に出ていて活躍していました。2012年の大会で注目されたのは「天才ムエタイ少女」として日本でも話題の伊藤紗弥選手(尚武会)の女子ムエタイ・タイ日国際戦。リングサイドで実況中継をしていたアナウンサーが何度も「こんなに色白で可愛い日本人が強いなんてすごい!」と叫んでいて、観客も大盛り上がりでした。
露店も並んで気分は夏祭り
タイ屋台料理を食べながらムエタイ観戦。タイ気分を120%満喫できるシチュエーション!
会場では試合が行われるリングの他に露店が並び、パッタイ(やきそば)やムーピン(焼き豚)などの屋台料理や果物、スイーツなどが売られていました。露店で買ったモノを食べながら、白熱するムエタイを観戦して盛り上がって夏祭り気分を満喫!
アユタヤで遺跡を見たい!という人も、一度はタイの国技ムエタイを観戦したい!という人。そしてタイでお祭り気分を味わいたい!という人もみんなが楽しめるお祭り「ミラクル・ムエタイ・フェスティバル(Miracle Muay Thai Festival)」。アユタヤ観光をするなら、絶対この時期に合わせて訪れたほうが楽しめますよ!