スマートハウス・エコ住宅/スマートハウス・エコ住宅の基礎知識とトレンド

スマートシティ考(1)~海外と日本(2ページ目)

2011年に始まった「スマートハウス」トレンドが、今年に入って次なるステージ「スマートシティ構想」への広がってきています。そもそも海外で先駆けて始まったスマートシティはどんなビジョンだったのか、日本との違いを事例に入る前に確認しておきたいと思います。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド


上空

太陽光発電を載せたスマートシティ、上空から見ると分かりやすいのかも

さて、日本のスマートシティを考える前に、スマートハウスの持つポテンシャルをおおさらいしておきましょう。スマートハウスの特徴はこれまでの連載でもみてきたように、家庭内エネルギー情報を管理・制御することだけではありません。電力会社から電気を買う一方、家庭で創電した電気を売るなど、電気や情報のやりとりが双方向になることにも大きな意味があります。

エネルギーの「地産地消」を可能にするスマートグリッド

こうしたメリットを家1戸内だけではなく、コミュニティや街全体として考える時、エネルギー問題解決に新たな可能性が生まるはず…という考え方から生まれたのが、日本型スマートシティに欠かせない技術「スマートグリッド(次世代送電網)」です。

そしてスマートグリッドを前提にしたスマートスティの意味を考えると、“スマートグリッドで住宅やビル、交通システム、発電所などをつなげ、地域全体で電力を融通制御し合い、エネルギーをコントロールできる街”というのが、現時点で最も新しい日本のスマートシティ像です。
図

スマートシティ概念図(国土交通省webニューズレター「新時代」vol.71 収録:柏木孝夫氏「経済発展と環境対策の両立に向けて~スマートシティという視点~」より)

特に東日本大震災後、太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」を活用しようという気運が国内で高まっていますが、これらの新エネルギー導入の要となるインフラも「スマートグリッド」となります。というのも、太陽光や風力など自然エネルギーは、その発電量が天候・気候に左右されるため不安定であることが弱点。電力不足時の問題だけではなく、電力需要が少ない時に供給量が増加すると、配電線に負荷をかけることにもなってしまうといわれています。

自然エネルギーの供給不安定要素もスマートグリッドで解消?

そのため需給バランスを調整することが不可欠となりますが、スマートグリッドを活用すれば、大型発電所だけではなく、家庭やオフィス・工場といった、これまで電力を消費していた場所で、自分たちで使うエネルギーを自分たちで作りだすことができ、また足りないところは街全体で融通制御できる。そのような「エネルギー地産地消」のコミュニティの仕組みづくりが見えてきます。

昨夏は計画停電や節電が社会問題になりましたが、スマートグリッドで電気に関する情報を双方向でやり取りできれば、供給側から一方的に電気供給をストップするのではなく、設定した目標値に合わせ、各家庭やオフィスのエアコン設定温度を変えたり、照明を減らしたり、コミュニティ全体でやりくりして乗り切ることも可能になるといわれています。

まだまだ実証実験段階のスマートシティですが、早くもスマートシティを謳う分譲住宅が登場してきました。次回以降紹介していきます。
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