驚きを持って迎えられた発表
E3ではマリオカートなどの映像を見ることができ、大変に驚きを感じました。
今でもはっきり覚えていますが、その時は新ハードの登場に興奮し、当時すでに世の中に登場していたテレビのような日常的な家電における3Dとは別の在り方、オモチャとしての3Dというものに可能性を大いに感じていました。これを使ってレースゲームを遊ぶとどうなるか、シューティングゲームも楽しいかもしれない、想像は大きく膨らみます。
おそらく、大きなショウのなかで、新しく面白いものとして発表された3DSに似たような希望を感じた人は多かったんじゃないでしょうか。その意味で、3Dというものが与えたインパクトは大きかったように思います。
遊べば遊ぶほど、3Dの価値は下がる
何十時間と遊ぶとき、ずーっと3Dスイッチをオンにしているかと言われれば、長くなればなるほどあまりオンにしなくなるかもしれません。
1つは3Dの表現に驚きを感じなくなるということ。もし、新しいゲームを買うたびに3Dをオンにした時、作り手の仕掛けによって映像がそれぞれに違う表情を見せるものであったとしたら、あれは3Dになるとどうなるんだろうと、興味をそそられたことでしょう。しかし現状では1つのゲームで体験した立体映像の驚きは、他のゲームでも似たようなインパクトでしかなく、次第にプレイヤーは慣れていってしまいます。
もう1つは、ゲームを長時間、集中してプレイしようとすればするほど、画面の角度による映像のブレという弱点が大きくなります。前述したモンスターハンター3Gがまさにそれで、何十時間、何百時間とプレイする人がいるゲームで、しかもアクションが非常にシビアであるとなれば、3Dをオフにして遊んでいる人が相当に多いであろうことは想像に難くないところです。
3D映像の見え方には個人差がありますし、何十時間遊んでも立体映像の不思議さ、面白さに飽きないという人もいるでしょう。しかし多くの場合、遊べば遊ぶほど3Dというものの価値は下がってくる場合が多いと思われます。
とすれば、3DSは、今後3Dではない部分こそが重要になっていくのかもしれません。