私が立川談志を初めて聞く方にオススメしたい演目は『饅頭こわい』です。
理由は私自身が初めて聞いた立川談志さんの演目がこれだったこと、そして以来興味を持って他の演目も聞くきっかけとなったからです。
お話の内容は子供でも十分理解できる分かりやすさですし、落語の中では最も有名な噺の1つなので、まさに初心者にぴったりだと思います。肩肘張らずに単純に楽しんで見られる演目です。
またよく知られた演目である故に、他の噺家さんも数多く演じておられるので、比較してみると立川談志さんの味・個性がよく表れており、これから談志さんの落語を聞いてみようとする方には入門書的な演目と言って良いのではないでしょうか。
聞き所はお話そのものよりも、談志さん独特の歯切れが良くクセのあるリズムの口調、話しの展開のスピード感、鬼気迫るような演技でお客を演目の世界観に引きずり込んだかと思えば、ぱっとすっとぼけたような突き放したようなことをしてみたり、緩急織り交ぜての表現力に談志さんの凄さを感じ取るビギナーの方も多いように思います。
他には『目黒のさんま』『らくだ』『源平盛衰記』なども初めて聞く方にはとっつきがいい印象があります。
『芝浜』『鼠穴』『黄金餅』などもすばらしいのですが、少し長いので談志さんの世界観に慣れてからの方がより楽しめるかもしれません。
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