5月の空のような焼き菓子たち
ユヌクレの焼き菓子は農薬不使用の国産小麦粉を基本に、健康を意識した視点を持ちながらもそれに縛られすぎることなく、表現したい味に応じてきび砂糖やグラニュー糖、バターなどを使い分けています。私が受けたユヌクレのお菓子の印象をひとことで表現するなら、5月の明るい空を連想する味。商品のひとつひとつにファンがいますが、とくにスコーンやマフィンは大人気。
(上段)東日本大震災後、生まれ故郷である宮城を想ってつくられた四つ葉のクッキー。(下段)香ばしいビスコッティ。
さまざまなパンを食べ歩くうちに、そのかたわらに置かれている焼き菓子の魅力に惹かれていった佐藤さん。
「焼き菓子の魅力は、あったかさ、やさしさ、のんびり感。 自分が休日に食べてほっとするのは、洗練された冷たいケーキじゃなくて、あったかい焼き菓子だったんです」
カウンターの椅子は北欧の古いもの。
「でも、友だちから率直な感想を聞くのは難しいでしょう?」
おいしさに磨きをかけたいと、つてをたどってなるべく遠い人々に贈り、客観的な感想を聞いて参考にしたそうです。その後、かぐれのイベントなどに焼き菓子を出品し、多くの人々から好評を博するように。
ラテづくりは佐藤さんが担当。ごゆっくりどうぞ、とお客さまに声をかけていました。
人気の高い「黒糖胡桃のスコーン」は、表面はさくさく、中心部は少ししっとりした食感。少し温めると、たまらない香りがいっそう際だち、自宅おやつの定番にしたくなる名作です。
お店では販売もカフェのドリンクづくりも担当するので、佐藤さんのお菓子づくりの時間は毎朝4時から8時までの4時間と、閉店後の2時間ほど。ひとつひとつ手作業でおこなう工程が多いため大量には作れませんが、自分ひとりで作れる量を大切にしていきたいと話してくれました。
ユヌクレのカフェメニューとショップデータは次ページで。