輸入車/注目の輸入車試乗レポート

理想のスポーツカーを追求して誕生したアルテガGT(2ページ目)

アルテガ社は、理想のスポーツカーをつくることを目的に、2006年にドイツで設立された新生自動車メーカー。その市販モデル第一弾が2シーターのミッドシップスポーツカーとして開発された「アルテガGT」だ。個性あふれるスタイリングに、高い走行性能を与えながらも日常性に配慮した、年産500台という少量生産のエキゾチックカーは、はたしてどんなクルマなのか?

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

個性的なデザインと高い走行性能に日常性を併せ持つスーパーカー

アルテガGT リア

すべて樹脂を素材とするボディパネルは、バンパー、フェンダー、ドアがカーボンファイバーで補強したポリウレタン、ボンネットやルーフはカーボンファイバー、トランクフードはねじり強度を高めるため積層化したポリウレタンとなっている。エンジンフードを開けてもエンジン本体はあまり見えない


ハンドリングは、フロントがかなりクイックながらリアが安定しているので、安心してシャープなコーナリングを楽しむことができます。ミッドシップというのは運動性能に優れる反面、上手く煮詰められていないとピーキーな特性となって危なっかしいところですが、アルテガGTは開発段階でニュルブルクリンクをはじめ欧州各地のサーキットをかなり走り込んで煮詰めたとのことで、走りの仕上がりも、それ相応の高いレベルに達しています。

こうした高い性能を持つ、非常に特別感のあるクルマながら、日常性にも大いに配慮されているのもアルテガGTならでといえます。トルクフルなエンジンに組み合わされるトランスミッションは2ペダルの6速DSGなので、運転はいたってイージー。踏み込めば野太いサウンドを奏でながら期待どおり力強く加速してくれる反面、低回転では住宅地でも気にならないほどジェントルで、いたって乗りやすい仕上がりとなっています。

手頃なサイズは日本の交通事情においても扱いやすく、ステアリングも軽く、乗り心地はやや固さを感じるものの、不快な思いをさせられることもありません。
アルテガGT インテリア

バケットシートのサイズは大柄。シートやルーフライニング、カーペットなどのカラーコーディネートは豊富に用意されており、特別色も選択可能となっている


また、ミッドシップのスポーツカーながら、ラゲッジスペースはフロントフード下とコクピットのシート後方に合計で300リットルもの容量が確保されています。2人分の荷物を積んで小旅行に出かけたいときでも問題なく対応してくれることでしょう。コンセプトどおりアルテガGTは、まさに日常的に使えるスーパーカーとしてつくられているのです。

アルテガGTは、ほぼ手づくりで生産されるため、生産能力は年間500台程度と少量に限られますが、日本でもすでにデリバリーが始まっています。気になる方は、東京の東麻布に開設されたショールームで実車に触れることができます。
アルテガオートモビル社

アルテガオートモビル社は、電子システムメーカーのパラゴン社を経営するクラウス・ディーター・フレールス氏が2006年にドイツで設立


【関連サイト】
アルテガ

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