算出額を目安にして自分の価値観で決める
予算に比率はあくまでも参考に。自分の価値観を見出して。逸脱しているところは、比率を参考に修正も検討しよう。
例えば遠距離恋愛中で「通信費は5%じゃ足りない」と思う場合は6%にしても7%にしてもOKです。でも、今はSkypeやface timeなど無料の通信サービスもあるので、工夫して3%、4%にすることも可能でしょう。また、夫婦・子供世帯の住居費を22%としましたが、もっと節約したいからという考えで安い家賃のところに居住するというのもOK。比率にご自身の価値観を反映させながら、それぞれ身の丈に合った予算を考えてみましょう。
自分の「お金の価値観」がまだ決められない人は
とはいうものの、初めてひとり暮らしをする新社会人の方など、家計を管理するということ自体が初めてな人にはピンとこない話かもしれませんね。そういう場合は、家計費のやりくりを覚えるまで、前ページの割合を参考にされると失敗が少ないと思います。また教育費が増えるご家庭では、そのご家庭の方針にもよりますが、塾や習い事に通わせることも含めて考えても、だいたい毎月の収入の7~10%を目安としましょう。大学の授業料など前期、後期にまとめて払うような教育費は、貯金の中に含めて蓄えておくことで良いのかという質問を受けることもあります。毎月の家計費からの貯金に含めるより、教育費という貯金箱(口座などでもOK)で家庭の貯金とは別に蓄え、支払いに備えておくとよりよいですね。
高すぎる費目は後悔を招く原因になる
前頁に挙げた家計の目安と、ご自身の家計の状況があまりにもかい離している費目については、いくら価値観を反映するとはいえ、少し見直しも必要かもしれません。中でも、収入に対して割合が増えがちなのが住居費です。わたしはよく「住居費は収入の3割以内に」とお話ししています。そこで、家計の目安も単身者で27%、子どものいる世帯で22%としました。年収20万円の方なら、4万4000円~5万4000円ですね。よほどのお金持ちなら別ですが、世帯月収が20~30万円台の場合は、住居費が高すぎて収入の4割にも5割にも及ぶと、必ずや家計がひっ迫してしまいます。転居される場合の家賃も、収入から支払い可能な目安を出して決めると安心です。
また、保険料も高額になりやすい費目です。かけ離れて高額になっている場合は、不要な保障が付いていないか、自分にはあまり縁がなさそうな保障の保険商品に加入していないか、重複した保障になっていないかなど、保障内容を見直したほうがよいでしょう。
このように、家計やりくりの目安を割合で示してみましたが、これはあくまで目安であり、「こうでなくてはいけない」というものではありません。自分の逸脱している部分を見つけるためのものです。参考にしながら、変化する生活環境に合わせて、ご家庭に合う予算を作ってください。