4人家族にジャスト
ラゲッジスペースはボディサイズを考えるともう少し奥行きも欲しいが、決して狭くはない。リヤゲートを開閉すると連動して動く「カラクリトノカバー」を採用するので、荷物の大きさに応じていちいちトノカバーを外したりせずに済むのは便利だ
ボディサイズはホンダCR-Vに近く、日本ではコンパクトとは言いがたいものの、この国の道路事情でもそれほど持て余さない大きさに収まっている。身長180cmの大人4人でも快適にロングドライブを楽しめるキャビンと人数分のバッグを積めるラゲッジを備えているし、後席を倒せばマリンスポーツやウインタースポーツなど多彩なアクティビティに対応してくれる。インパネの質感やデザインなどはとくに驚くものではないが、外装同様にスポーティなムードは演出されている。
グレードは何を選ぶ?
身長171cmの筆者だと頭上、足元ともに十分な余裕が残る。身長180cm超の人が乗っても窮屈ではないはず
FFと4WDの選択は、雪国などで必要でもない限りFFで十分で、FFは4WDよりも軽いぶん燃費でも有利だ。最大のポイントは当然ディーゼルかガソリンかの選択だが、やはりトルクフルなディーゼルがとても魅力的に思えた。ディーゼルは258万円~319万円、ガソリンは205万円~241万円なので205万円と258万円を比べても約50万円の差があると思うかも知れないが、205万円の「20C」はエントリーグレードで装備は抑えられているので実質は30万円くらいの差しかない。
ただし、普段は近所のちょい乗りで年に数回しか長距離は走らないならガソリンでも満足度は十分高いだろうし、そうした乗り方だとディーゼルの恩恵を最大限に享受できないだろう。逆にロングドライブが多い、あるいはこれから出かけたいならディーゼルが適任だ。
ベストチョイスは、フロントフォグランプや本革巻ステアリング、後席の「カラクリフォールド機構」を備えたディーゼルの「XD」だろう。しかもボルボの「シティセーフ」と似た「スマート・シティ・ブレーキ・サポート」と「AT誤発進抑制制御」を7万8750円のセットオプションで付けることができる。なお、この「スマート・シティ~」は8000台の受注のうち、CMなどでほとんどアピールしていないにも関わらず、お手頃な価格設定もあって約60%の装着率に達したそうだ。
今回は短時間での試乗のため、注目のディーゼルエンジンの燃費計測はできなかったが、これはヒット作になるわけだと、納得させられる力作になっている。燃費計測とロングランは機会があればお届けしたい。