収入保障保険と平準定期保険との違い
まず、収入保障保険を平準定期保険(保障期間が65歳までの30年間の定期保険)と比べてみました。収入保障保険は被保険者が死亡・高度障害時に年金形式で保険金を受取るのが大きな特徴ですが、実は保険金を一括で受取ることも可能です。ここでは収入保障保険の保険金を一括で受取ると仮定し、その保険金額に合わせて平準定期保険の保険金額を設定しました。下記グラフは収入保障保険と平準定期保険の保険金額の大きさを表したものです。縦軸は保険金額(単位:万円)、横軸は経過年数です。 黒い線は収入保障保険を年金として受取る場合の保険金額で、加入直後の7200万円から徐々に減っていきます。赤い線は一括で受取る場合の保険金額で、加入直後の5598万円から徐々に減っていきます。収入保障保険は一括で受取る場合でも保険金額は徐々に減り、受取額は年金として受取るより少なくなります。
一方、平準定期保険の保険金額は加入期間中一定です。いちばん薄い青は保険金額5600万円、中くらいの青は3800万円、濃い青は2300万円になっています。この例では、必要保障額が月々20万円(黒い線と一致)なので、黒い線の右上側にはみ出た部分が必要以上の保障と言えます。また、黒い線以下は保障の不足となり、一括で受取る場合は保障が足りなくなるので、受取った保険金額を運用して増やしていく必要があります。
次のグラフは収入保障保険と平準定期保険(非喫煙優良体と喫煙優良体)の保険料累計を表したものです。縦軸は保険料(単位:万円)、横軸は経過年数です。
黒い線が収入保障保険の保険料累計で、月々保険料は8,520円、30年間の保険料累計は約307万円になります。平準定期保険では、タバコを吸う健康な人(喫煙優良体)は月々19,264円保険料累計約694万円で、収入保障保険の倍以上の保険料を払う必要があります。タバコを吸わない健康な人(非喫煙優良体)は月々12,600円保険料累計約454万円で、収入保障保険の約1.5倍となっています。
最初のグラフでわかるように、平準定期保険は収入保障保険の一括受取よりも保険金額が多く(平準定期保険は保障の形が四角形で三角形の収入保障保険よりも保障が大きい)、必要以上の保障がかなりあることから、収入保障保険よりもかなり高い保険料になっています。
ちなみに、収入保障保険の月々の保険料程度で確保できる保険金額は、非喫煙優良体で3800万円(上のグラフの中くらいの青)程度、喫煙優良体で2300万円(上のグラフの濃い青)程度になります。この保障額では不安な日々を過ごすことになりそうです。
この比較では、収入保障保険の方が保険料にかなり優位性のあることがわかります。ただ、平準定期保険の保障が必要以上にかなり大きいので、次のページでは保険期間10年の定期保険を2回更新するパターンと比べてみました。
>>収入保障保険と10年毎更新型定期保険との違い