税制改革~消費税増税! 家計への影響は?
■消費税アップの家計への影響は?社会保障と税の一体改革は、広い視野で考えなければ駄目
各家庭の消費税の影響は、家計状況によって当然変わります。例えば、毎月の消費支出が20万円とした場合、消費税が5%から10%に引き上げられると、1万円分の消費税を追加で負担することになります。同じ生活水準を維持した場合、毎月の貯蓄額が1万円減ってしまうことになるので、やはり、節約など、支出の見直しをする必要は出てくるでしょう。
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■なぜ消費税アップなのか?
社会保障改革の安定財源確保として、消費税に焦点が当てられています。大綱では、以下のように説明しています。
「消費税は、高い財源調達力を有し、税収が経済の動向や人口構成の変化に影響されにくく安定していることに加え、勤労世代など特定の者への負担が集中せず、経済活動に与える歪みが小さいという特徴を持っている。社会保険料など勤労世代の負担が既に年々高まりつつある中で、こうした特徴を持ち幅広い国民が負担する消費税は、高齢化社会における社会保障の安定財源としてふさわしいと考えられる。」
各世代間で受益と負担の不均衡が議論に上がっていますが、社会保障を現役世代に頼るのではなく、「全世代対応」型の社会保障制度に転換しないと、維持が困難になっているとも言えるでしょう。
■消費税だけではない、税制改正
消費税は、全世代が平等に課税されるという点で、公平な税であると言えます。その一方で、税率が一定であるため、低所得者層には負担が重く、高所得者層には負担が軽いという特徴を持っています。また、平均的な所得水準が下落するとともに、その分布が下方シフトしている一方で、高所得者層の割合は増加しています。いわゆる、所得の二極化が顕著になっていると言われています。そこで、今回の税制改正では、高所得者層に絞って、一定の負担増加を求める内容が盛り込まれています。
・課税所得5,000万円超について税率45%
・相続税、贈与税の見直し など
社会保障・税の一体改革で、税制改正というと、消費税アップに目が行きがちですが、消費税アップの背景や、誰がどれだけ税負担をするか、という全体のバランスを考えなければなりません。自分視点で考えると、消費税アップは、確かにその分の負担増加になりますが、全ての世代や所得層が、税金アップに反対すれば、日本という国は成り立たなくなってしまいます。
あらためて、社会保障と税の一体改革を考える
世間で行われている、社会保障と税の一体改革の議論を見ていると、「年金制度改革」と「消費税アップ」の議論に集中し過ぎている気がしてなりません。社会保障は、年金や健康保険といった社会保険だけではなく、私たち国民、一人ひとりが、安心して、かつ希望を持ちながら生きることができる社会を実現するための制度の全てを含むものである、ということです。つまり、年金・医療・介護・雇用といった社会保険制度だけではなく、子育て環境をつくる、安心して医療を受けられる仕組みづくり、地域で介護を行うサポート体制をつくる、若年者・専業主婦・高齢者の雇用安定化のためのキャリア支援などなど、多岐に渡るものです。
「消費税増税反対!」という議論だけではなく、国家財政や現状の社会保障制度を踏まえつつ、自分たちと未来の子孫が、どうしたら安心して希望を持ちながら暮らせるのか、という視点を交えて、議論をしなければならないと感じています。
社会保障と税の一体改革で「私たちの生活はどう変わる?」ではなく、「私たちの生活をどう変える?」という気持ちを持つことが大切なのではないでしょうか? 夫婦で自分たちと子どもの未来のための社会保障と税について考えてみましょう。