ここでは権利関係や過去の経緯などが、あまり複雑ではない不動産の場合を想定しています。物件によっては登記内容を調べるのにあたり、もっと多くの手間がかかる場合もあります。なお、不動産業者による調査のときは、さらに深く突っ込んだ細かな確認作業をしているはずです。
できれば事前に住宅地図を用意する
自分が所有している不動産の登記事項証明書などを取得するときには、その地番や家屋番号を控えておけば良いのですが、そうでない場合にはまず地番を調べることが先決になります。そのとき手元に住宅地図のコピーがあれば作業がはかどります。なお、法務局にも住宅地図(地図番号などが記載されたもので、一般の住宅地図とは異なります)が備えられているものの、著作権の問題や破損防止などのためコピーが禁止されている場合もあります。
住宅地図のコピーは物件を紹介した不動産業者に頼めばもらえることもあるほか、地域の図書館などで入手できることも多いでしょう。目的の物件がページの端に記載されているときには、その左右あるいは上下のページも併せてコピーしておくようにします。また、「ゼンリン住宅地図プリントサービス」を利用すれば、ネットで指定して近くのセブン・イレブンでそのプリントを受け取ることもできます(1枚300円、平成24年3月現在)。
法務局の管轄を調べる
法務局は、本局、支局、出張所ごとに複数の市区町村を管轄するところも多くなっています。目的の不動産の管轄がどこなのかは、法務局のページで調べることができ、それぞれの庁舎の案内図なども掲載されています。なお、不動産登記と商業・法人登記とで管轄区域が異なる場合もあるので、間違えないようにしなければなりません。法務局では、まず地図(公図)を取得する
目的の不動産の地番などがあらかじめ分かっている場合は良いのですが、そうでない場合にはまず地番を特定することが重要になります。地番が分からなければ、登記事項証明書や地積測量図などを請求することもできません。地番の特定作業をするために、法務局へ行ったらまず地図(公図)の写しを取得することから始めます。法務局には、住居表示を入力すると該当箇所の住宅地図が表示される端末を置いているところもあります。この場合には端末を使って、画面上に表示された「地図番号」と「物件のいちばん近くに記載されている地番」を控えておきます。この端末がない場合、あるいは使えない場合には、法務局に備えられた住宅地図(地図番号などが記載されたもの)を探し、該当箇所の地図番号などを確認します。法務局の住宅地図には、いくつかの土地に地番も記載されていますが、それだけで目的物件の地番を特定できるわけではありません。
地図番号が分かったら、地図の写し交付用の申請書に住所、氏名、目的物件の所在、地番(いちばん近くの地番)、地図番号を記入し、「写し」のところにチェックをして提出するだけです。なお、地番がはっきりしていれば、地図番号を記入しなくても地図(公図)の写しを交付してくれる法務局もあります。また、住所、氏名を手書きで記入すれば、申請書への押印などは不要です。
なお、それぞれの法務局管轄区域内の「マンション索引簿」や「マンション地番対照簿」などが備えられている場合があります。マンションについて調べるときには、先にこれらを見ることで、敷地の地番が分かったり、敷地の地番と部屋の家屋番号が同時に分かったりすることもあるでしょう。そのようなときは、地図(公図)の取得を省略して先に進むこともできます。
地番の特定をする
地図(公図)の写しが交付されたら、手元の住宅地図と照らし合わせて目的の土地の地番を特定します。地番さえ分かれば、たいていの場合は面倒な作業がそれで終わります。あとはその地番をもとに、登記事項証明書、地積測量図の写し、建物図面の写しなどを申請するだけです。≪登記事項証明書や図面の写しの交付を申請する…次ページへ≫