ミラーレス一眼カメラってなに? どうして小さいの?
日本、アジアを中心にして世界に普及しつつあるミラーレス一眼デジカメ。2011年には日経の選ぶヒット商品番付で上位にもランクインしていました。しかし、そもそも「ミラーレス」一眼カメラってなにという疑問を持っている読者も少なくないかもしれません。なにがどう、「ミラーレス」なのか。まずは下の画像を見てもらいましょう。これは「デジタル一眼レフ」のレンズを外したところです。
「デジタル一眼レフ」のレンズを外したところ
鏡があるのが分かるでしょうか。ちょっと分かりにくいかもしれません。鏡に撮影しているカメラを写しこんでみました。
これならはっきりと鏡の存在が分かると思います。さらに下の画像は、その鏡を上げたもの。デジタルカメラにおけるフィルムに相当する撮像素子があります。
デジタル一眼レフの「レフ」とはこの鏡のこと(reflex mirror)を指しています。そして、「ミラーレス一眼カメラ」のレンズを外したのがこちらの画像。
直接、撮像素子があるのが分かると思います。つまり、「ミラーレス一眼カメラ」とはデジタル一眼レフからミラーを取り去った構造をしたものなのです。
そして、このミラーがなくなったことでもうひとつ不要になった部品があります。ペンタプリズム、ペントミラーと呼ばれる光学系部品がそれです。いわゆる「軍艦部」にある、大きな出っ張りに収納されいている部品で、レンズから入ってきた像を光学ファインダーにまで導いてくれるものです。
ミラーとペンタプリズムで光学ファインダーに像を導く模式図。
しかし、現在のデジタルカメラではフィルムにあたる撮像素子には光を当て続けてもまったく問題ありません。むしろ積極的に撮像素子を動かし続けることで、コンパクトデジカメでは使えていた顔認識機能や笑顔認識シャッターが使える ── 逆にいうとミラーがあることで、デジタル一眼レフではそれらの機能は使えずにいたわけです。
また、これらのミラーとペンタプリズム(ペンタミラー)が存在するために、デジタル一眼レフはどれほど小型化が進もうとも一定以上の小型化はできなくなっていました。
ミラーレス一眼カメラは、このふたつの部品を取り去ることができたからこそ圧倒的な小型化を実現できたのです。
小型化を実現し、人気が集まるミラーレスですが、意外な弱点も……