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先進医療の最新事情(実施数・費用他)(3ページ目)

今ではほとんどの医療保険・がん保険に保障が付くようになったほど注目されている先進医療の最新事情について、実施件数や技術料、陽子線治療と重粒子線治療の動向等についてまとめてみました。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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陽子線治療と重粒子線治療が健康保険の対象になるかも!?

筑波大学附属病院の陽子線治療装置

筑波大学附属病院の陽子線治療装置

先進医療は、将来保険給付の対象にするべきかどうかについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養であり、有効性や安全性が確認できれば健康保険の適用になるという特徴があります。

その平成24年度診療報酬改定に向けた平成23年度先進医療の保険導入等に係る評価において、陽子線治療と重粒子線治療が、一次評価の結果として、陽子線治療と重粒子線治療はともに総合B1の評価となりました。総合B1とは、「一次評価結果で主担当と副担当の意見が分かれており、主担当がA又はB評価である技術」で、評価の定義として、A評価は優先的に保険導入が妥当、B評価は保険導入が妥当となっています。

平成24年2月1日現在、陽子線治療と重粒子線治療を実施している医療機関は、陽子線治療が、国立がん研究センター東病院(千葉県)兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県)静岡県立静岡がんセンター(静岡県)筑波大学附属病院(茨城県)財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター(福島県)財団法人メディポリス医学研究財団がん粒子線治療研究センター(鹿児島県)福井県立病院(福井県)の7カ所、重粒子線治療が、独立行政法人放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター病院(千葉県)兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県)国立大学法人群馬大学医学部附属病院(群馬県)の3カ所になります。平成20年6月の段階では陽子線治療が3カ所、重粒子線治療が2カ所だったことから、実施している医療機関は両方をあわせると3年半程度で倍になっています。ハード面でも徐々に普及し、多くの患者が治療を受けられる体制が整ってきています。

2年前の評価では陽子線治療と重粒子線治療はともに一次評価が「総合C」、二次評価で「先進医療として継続することが妥当」となっていたことから、今回評価が上がっており、もしかしたら近い将来健康保険の対象(保険治療)になるかもしれません。今後の二次評価や中医協での審議がどうなるか気になるところです。

【関連リンク】
・ 厚生労働省『先進医療の概要について』
・ 厚生労働省『第62回先進医療専門家会議議事次第』
・ 先進医療の保障は必要なのか!?
・ がん経験者に聞いたがん治療の実態
・ がん先進治療「陽子線治療」に使う最新装置を撮影
・ 景気に関係なく増え続ける国民医療費35兆円!!

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