モアパワーは感じさせない
結論からいえば、パワー不足はほぼ感じさせなかった。ストップ&ゴーの続く街中では重い巨体がスルスルと滑り出すし、首都高速への合流時などでも少し強めにアクセルを踏み込む必要はあるものの、欲しい加速が瞬時に得られる印象だ。
パワー面で不満を挙げるとすれば、急勾配が続く高速道路で速度を一定に保つにはやや意識してペダルを強めに踏み込む必要がある点くらいだろう。もっともクルーズコントロールが備わるから、そんな苦労も回避できるのだが。
また直4化で気になる音・振動面だが、確かにアイドリングがややラフで、室内に侵入してくる音もやや大きめな印象だ。しかしながら気になるレベルではない。
注目の燃費は上々
今回は高速道路を中心に188km走り、21.6Lを消費したから燃費は8.7km/L。高速中心の走行だからあくまで参考数値だが、それでも2トン超の大型SUVであることを考えると上々の数値といえる。
これでアイドリングストップが備われば、街中での燃費も数%向上するのだろうが、従来の「アメリカンSUV=大食い」というイメージを払拭するには十分な結果が得られたと思う。
最後にエンジン以外の魅力を改めておさらいしておくと、堂々たるボディサイズと洗練された内外装、普段は前2列までの5人乗車が現実的とはいえ、サードシートも備えるからイザという時に7人乗りが可能なこと、2/3列目をフラットに倒せて積載スペースを拡大できるなど、いくつもある。この「XLTエコブースト」は2WDのみの設定だが、シティユース中心なら何ら不満はないだろうし、スタッドレスタイヤを履けばスキーエクスプレスとして十分に活躍してくれるはず。440万円というプライスも考えると、4WDを指名買いするのでなければ、積極的にチョイスしたい仕様だ。