“ダブルブースト”でパフォーマンスと燃費を両立
それはさておき、アクティブハイブリッド5の要諦は、535i以上(550i以下)のパフォーマンス(V8自然吸気エンジン程度)を、燃費を犠牲にせず、むしろ効率性を上げて達成することにある。ドライビングファンがブランドキャラの重要点であるBMWにとって、いかなハイブリッドシステムといっても、トヨタのように燃費第一、とは言えない。それゆえ、直6ターボエンジン+モーターという、いってみれば“ダブルブースト”な仕掛けを考えだしたのだった。システム性能は、340ps/450Nm。モーターブーストの力を借りて、2トンのカラダを、0→100km/h加速5.9秒で走らせる。それでいて、ハイブリッドシステムが最も効率的に運用された場合、最大で15%もの燃費向上が望めるという。
EV走行は、時速60km/hまで、最大4kmほど可能である。また、ECO PROモードを使って高速走行中、160km/h以下でスロットルオフの、いわゆるコースティング状態では、エンジンが完全に切り離される。欧州車らしい機能だ。
ナビ協調にも積極的だ。目的地案内で走行中に、たとえば上り勾配であれば、モーターを積極的にアシストへ回すよう制御されるし、また、目的地周辺でできるだけEV走行が可能なように充電をコントロールする、といった具合である。