ミサワホームのノウハウが数多く反映!
「耐震木造」の構造強度を生かした吹き抜け空間。こうした設計上の工夫もミサワホームが提案する「微気候デザイン」と強く結びついている
さて、八王子のモデルハウスに話を戻すと、私は「ミサワホームが木造軸組で住宅を建てるとこんなデザインになるのか」という印象を持ちました。どういうことかというと、ミサワホームがプレハブ住宅で培ったデザインノウハウをうまく反映しているな、ということです。
工法・構造自体は別ですが、デザインや間取りの考え方は、ミサワホームの考え方を色濃く反映しているといっていいと思います。例えば、同社では住宅の環境設計として「微気候デザイン」という手法を積極的に取り入れますが、それももちろん反映されていました。
よくいわれることですが、住宅というのは自然の光や風をうまく取り入れることで、エアコンなどの設備に過剰に頼らずに生活できるようにすることが重要です。モデルハウスには蓄熱・蓄冷の効果が期待できる土間を設置したり、格子戸で外部の視線を遮る、伝統的な工夫も盛り込まれていました。
地震対策として制震装置「MGEO」も
居室内は手塗りの内壁など、フリーチョイスならではの空間づくりも行われていました。ミサワホームは従来から制震装置「MGEO(エムジオ)」の搭載を積極的に進めていますが、木造軸組工法用に開発した「MGEO―N」も搭載されていました。このほか、最近話題のスマートハウス対応も。太陽光発電システム(創エネ)や蓄電池(蓄エネ)、さらには独自のHEMS「enecoco(エネココ)」(調エネ)といった最新の環境設備や技術もみることができました。
さすがに、ここまでになると坪単価は70万円を超えるレベルになるといいますが、要するに施主の要望にあわせて幅広い価格帯で対応できるというのも「MJ Wood」の魅力の一つといえるかもしれません。
ところで、このサードブランド商品にはこのほかにも特徴があります。それは保証やアフターサービス・メンテナンスの部分です。ハウスメーカーで住宅を取得する際に魅力的と思われるのが、その企業規模に裏付けられる安定感と安心感です。
そこが地域のビルダーやローコスト系ハウスメーカーとの違いになってくるのですが、「MJ Wood」は要するに工法以外はミサワホームと同レベルのサービスが期待できるということになるわけです。この点は大きなポイントになると思われます。
最後に、ミサワホームの「MJ Wood」以外にもハウスメーカーではいくつか同様の取り組みをしていますから紹介しておきましょう。積水ハウスでは、グループ会社の積和建設グループ(積水ハウスの施工会社)を通じて、「積和の木の家」を供給。このほか、トヨタホームがTSW工法(スチールハウス)、パナホームは木造住宅を供給しています、後の二社は主に分譲住宅向けのようです。
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