水に囲まれた和洋室
今回の泊まりは本館の和洋室。2名で4万~5万8000円のぐるりと水に囲まれた和の空間。現代的に設けられた茶室からは、障子越しに水面にきらめく森の表情を楽しめる。木の香りのお風呂は至福のリゾートシーンの象徴。風呂に浮かぶ柚子が独特の香りとともに安らぎを伝えてくれる。上質のリネン、シーツは柔らかな安眠に誘ってくれる。翌朝、3つ目の旅の目的である「伝説の二期倶楽部の朝食」にトライ! 営業時間が午前8時からなので、少し早めに部屋を出て散歩に。昨夜のワインで火照った肌に外気が気持ち良い。30分ほどの散歩を終えて本館のダイニング「ラ・ブリーズ」へ。
まずは各種ジュースと牛乳が入ったジュースバーが目に飛び込んでくる。宇和島・川村農園のみかんジュース、米沢果樹園のりんごジュース、那須高原の絞り立ての豆乳やジョセフィンファームの牛乳などなど。このあとは瑞々しい野菜プレートが供される。各種のドレッシングに塩と金山寺味噌というチョイスも。
さて、ここからが待望の「朝げのにき菜重」。那須高原の旬野菜の煮物と各種おひたし、焼き魚、大森さんが作った御用邸献上の原木椎茸、滋養卵“純”を使った各種の卵料理、大土町の豆乳で作った自家製豆腐、こだわりの南高梅の蜂蜜風味、低温熟成梅干しなど、まさにフルコースのメニューが並ぶ。
さらにさらに前日にオーナーにリクエストしておいたオートミールも、ちゃんと時間通りに供された(別棟にある別のレストランで料理して戴いた)。このオートミールがまた秀逸なもの。ヨーロッパの名門ホテルのその味にひけをとらないほど。
どうだろう、都会の忙しい毎日の朝食ではせいぜい20分程度が限界である。今回の朝食タイムは優に1時間を超えている。それほど豊かで、充実したメニューであるということ。これだけインパクトのある朝食は、恐らく日本国内で10カ所あるかどうか。ガイドにとっては“奇跡の朝食”と言っても大袈裟でないほどのインパクトである。
二期倶楽部は進化するリゾートホテルである。1986年、栃木県那須山麓、横沢の地に僅か6室のオーベルジュとして誕生。その後、1997年、空間デザイナーの杉本貴志氏を起用、渓流沿いに別館を増設(12室)。さらに2003年、テレンス・コンラン卿率いるコンラン&パートナーズ社により24室からなる「NIKI・CLUB&SPA(東館)をオープン。さらに2007年、20周年記念事業として敷地内に野外劇場「かがみ」を完成。続いて庭内にゲストハウス「観季館」、続いて長期滞在体験型宿泊施設「アート・ビオトープ那須」のプロデュースとその運営をしている。
日本国内のリゾートは数あれど、これだけ明確なリゾートコンセプトを具現化してきたリゾートホテルは稀有である。春夏秋冬、いつ訪れてもホテルゲストを魅了する理想のリゾートホテルと言えるだろう。
■二期倶楽部
住所:栃木県那須郡那須町高久乙道下2301
電話:にき倶楽部1986(本館)0287-78-2215
NIKI-CLUB&SPA(東館)0287-78-2218
地図:Yahoo!地図情報