介護保険制度を知ろう!
■介護保険制度とは介護状態になった時に、一番の支えになるのは公的介護保険制度です。40歳以上になると保険料の負担が始まる公的介護保険は、市町村等が保険者となって運営する社会保険制度です。「介護が必要な状態(要介護)」と認定された場合には、原則1割の費用負担で、介護サービスを受けられます。65歳以上の人は「第1号被保険者」、40歳~64歳の人は「第2号被保険者」ですが、それぞれ保険料の計算方法や納め方、介護サービスを受けられる条件は異なります。
■介護サービスを受けられる人
第1号被保険者は、要介護になった原因に関係なく介護サービスを受けられますが、第2号被保険者は、「要介護状態になった原因が特定のもの」でないと介護サービスを受けることができません。事故やケガなどによる場合は、対象外ですのでご注意ください(40歳未満の方は、公的介護保険の対象外です)。
介護認定には、要支援1~2と、要介護1~5と段階があり、受けられるサービスとその利用限度額が定められています。「要支援(1~2)」と認定された人は、介護を要するほどではないけれども、介護予防を継続する必要があるということで、「介護予防(在宅)サービス」を受けることができます。また「要介護(1~5)」と認定された人は、その度合いに応じて必要な「介護サービス(在宅または施設サービス)」を受けることができます。この他、「自立」と認定された人でも、介護や支援が必要となるおそれがある人は、市区町村の予防サービスを受けられる場合があります。
■介護保険の自己負担金額は、実際にどのくらい?
実際に、公的介護保険の給付額は、どのくらいなのでしょうか? 「平成21年度 介護保険事業状況報告(年報)」(厚生労働省)を見ると、第1号被保険者1人あたり給付費(特定入所者介護サービス費、高額介護サービス費等を含まない)は、年間22.5万円となっています。給付費を9割、自己負担1割とすると、自己負担額の平均は年間2.5万円ということになります。意外と少ないと感じる方が多いかもしれません。ただし、これはあくまでも平均額ということなので、要介護度が重度になるほど、自己負担額も増加します。
■自己負担金額が高額になった場合は?
●毎月の介護費の自己負担額に上限がある!?
~高額介護サービス費制度~
介護保険サービスを利用すると、利用者は、通常かかった費用の1割を負担することになります。自己負担額が高額になった場合に、負担を軽減する制度として、高額介護(介護予防)サービス費制度があります。世帯の1か月の在宅サービスや施設サービスにかかる1割の利用者負担額の合計が所得区分に応じた上限額を超えた場合は、超えた金額を高額介護(介護予防)サービス費として介護保険から支給されます。
高額介護サービス費制度によって、介護保険サービスの1ヶ月の上限金額は、37,200円(住民税課税世帯)ということになります。
●医療・介護の自己負担にも、年間上限額がある!?
~高額医療・高額介護合算療養費制度~
毎月の自己負担額は、高額介護サービス費によって上限金額が決まっていますが、毎月の自己負担は軽くても、長期間にわたって継続的に治療や介護サービスを受ける場合、家計の負担は軽くありません。また、介護費用だけではなく、医療費も同時にかかる場合も多いです。そのため、同じ世帯で医療と介護の両方を利用した場合に、年単位で、さらに自己負担の軽減を図る、「高額医療・高額介護合算療養費制度」が、平成20年4月から導入されました。
一般的な所得の世帯では、医療と介護の自己負担の上限は、70歳未満で67万円、70歳以上で56万円となっています。日本の公的医療・介護制度の保障内容が手厚いことに、あらためて気づかされます。
>>公的介護保険以外にかかる、介護費用は?