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派遣労働が社会にどの程度浸透しているかは国によって異なる

80年代に派遣という働き方が認められてから、派遣は社会に広く浸透してきました。いったいどの程度まで拡大する余地があるのでしょうか?今回は「派遣浸透率」の国際比較から考えてみます。


世界の派遣浸透率

「派遣浸透率」とは、働く人全体に対して派遣スタッフがどれだけいるかという割合です(厳密な算出方法は国によって異なります)。CIETT(国際人材派遣事業団体連合)によれば、2009年の主な国々の派遣浸透率は次のようになっています。

国別の派遣浸透率
  • 南アフリカ 6.5%
  • 日本 1.7%
  • ヨーロッパ平均 1.5%
  • アメリカ 1.3%
  • アルゼンチン 0.4%
  • 韓国 0.4%
      出所:日本人材派遣協会「世界の労働者派遣事業 主要統計調査」2009年


まず、日本の派遣浸透率は1.7%です。派遣はともすれば有期雇用の象徴のように考えられていますが、実際はそれほど多くありません。

また、派遣浸透率は国によってかなり開きがあります。これは雇用慣行や派遣制度に対する規制が異なるためです。上記で最も高い南アフリカでも10%に達していません。どうやら派遣という働き方は際限なく拡大するわけではなさそうです。

実際、ヨーロッパ各国の派遣浸透率をみてみると、最も高いイギリスでも3%台です。


ヨーロッパの派遣浸透率
  • イギリス 3.6%
  • オランダ 2.5%
  • フランス 1.7%
  • ドイツ 1.6%
  • イタリア 0.7%
  • ハンガリー 0.6%
     出所:日本人材派遣協会「世界の労働者派遣事業 主要統計調査」2009年


派遣という働き方が無制限に拡大しないのには、いくつか理由があります。

一つには、派遣会社に手数料が発生する派遣制度は、ユーザー企業にとって同じスタッフを長く活用する程、割高になるからです。長期で働いてほしいスタッフを直接雇用に切り替えるインセンティブが働きます。日本のように解雇規制が厳しくない国ではなおさらです。

また、オランダのフェーズシステムのように、一定期間就労した派遣スタッフは直接雇用にしなければならないという規制のある国もあります。このような国では直接雇用への転換が促進されます。




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