自動車保険

実録!自動車保険見直し 見積りはやっぱりお得

FPに相談に来た顧客の自動車保険見直し実録です! 今回は、主に仕事で車を使っている人の見直し事例。業務使用は保険料が高くなると思っている人が多いようですが保険会社によっては安くなることがあります。そんな事例を紹介します。

執筆者:石川 英彦

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見積りをいろいろ取ってみる

リスク細分型の自動車保険で使用目的が「業務使用」の場合、保険料が高くなるのでは? と思っている人が多いようですが、今より安くなる場合もあります。もちろん保険会社によっては高くなる場合もあります。それは見積りをいろいろ取ってみることで各社の特徴がわかるのです。面倒くさいかもしれませんが、ちょっとの手間で数万円も違ったら……と思えばなんと割のよい仕事でしょうか。特に代理店型からダイレクト型への切り替えでは効果が期待できるでしょう。代理店型に入っている人もダイレクト型に入っている人も更新前に早めにいろいろ見積りを取ってみましょう。

■相談事例調査
調査会社:エフピーリサーチアンドコンテンツ株式会社
調査対象:自動車保険の相談を受けているFP
調査年月:2011年11月

■相談者属性
記名被保険者年齢:47歳(既婚、子供あり)
性別:女性
職業:会社員
車種・車名:トヨタカローラスパシオ
使用用途:業務使用
使用地域:栃木県
免許の色:ゴールド
年間走行距離:10,000km

■見直し前・見直し後の契約内容
<見直し前>
保険料:40,920円/年
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限 
人身傷害:1億円
搭乗者傷害:なし
車両保険:一般車両保険 免責なし
限定条件:夫婦限定
年齢条件:35歳以上 
その他オプション:事故付随費用特約

<見直し後(更新後)契約内容>
保険料:25,290円/年
車両保険→一般車両保険 免責:1回目事故5万円、2回目事故10万円 車体車免責ゼロ特約
限定条件→なし
年齢条件→26歳以上
その他オプション→インターネット割引・証券不発行割引
 

業務使用、リスク細分型でも保険料は安くなる?

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リスク細分型は保険本来の仕組み。リスクの高い人は従来型が安くなることも

相談者の自動車保険は、リスク細分型ではなく昔からのタイプのもので代理店を通して加入していました。ずっと事故もなく20等級の優良契約。今回更新を迎えるに当たり、ダイレクト型の自動車保険に切り替えようと検討していました。車を主に仕事で使っていると保険料が高くなると聞いていたので、実際のところどうなのか? という相談を受けました。

従来型の自動車保険(主役だったのは10年以上前)はリスク細分型と異なり、主に運転者の年齢や車種で保険料が決まります。使用目的や走行距離などに関係なく保険料を設定。現在でも取り扱いをしている保険会社があり、今回の相談者のように現在も加入している人がいます。

リスク細分型の自動車保険はリスクが高い人は保険料が高くなり、リスクが低い人は保険料が安くなるという本来の保険の姿である公平な仕組みになっています。よって、事故もなく等級が高い人は保険料が安くなる傾向があります。

一方、リスクの高い人はリスク細分型ではなく従来型で加入した方が保険料が安くなることがあります。今回の相談者は車を仕事で使うことが多いためリスクは高くなりますが、等級が高いのでリスク細分型の自動車保険に切り替えれば保険料が安くなる可能性があったわけです。
 

しっかり補償、しっかり設計。でもさらに安くするには?

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ダイレクト型に切り替えることは保険料を下げる常套手段

相談者の補償の考え方は、対人・対物賠償責任保険と自分や家族、同乗者の補償である人身傷害補償や搭乗者傷害保険、自分の車の車両保険を充分にしておきたいということでした。一方で年齢条件や運転者を極力限定することにより、できる限り保険料を節約する方針です。現在の自動車保険ではこの考え方でちゃんと加入していて、今以上に保険料を安くするにはダイレクト型の保険を検討するしか方法がありませんでした。

保険料を安くするために、必要な補償を減らしたり削ったりするのはナンセンスです。従来型の自動車保険でもリスク細分型の自動車保険でも代理店型で加入していて、補償内容も条件設定も十分に吟味している場合、保険料をさらに下げる手段はダイレクト型に切り替えてみることです。誰もが安くなるとは限りませんが、かなりの確率で保険料を下げることができるでしょう。

その他、車両保険のタイプ(フルカバータイプかエコノミータイプか)、車両保険の免責金額の設定、人身傷害補償の金額設定は保険料への影響が大きいので、見直すことで保険料を下げることができるかもしれません。
 

業務使用でも複数社の見積りをとろう

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保険は高い買い物。見積りは面倒くさがらずに

保険会社や契約内容によっては業務使用の車でも保険料が安くなる場合があるので、まずはネットの見積りサイトで複数の保険会社から見積りを取ることを相談者に勧めしました。

ダイレクト型の自動車保険は保険会社によって契約内容や等級、条件で保険料の設定方法は様々であり、従来型と比較して保険料が高くなる会社もあれば安くなる会社もあることを相談者にあらかじめ説明。また、特徴として自分で補償内容を決めたり確認したりするなど人任せにはできないこと、代理店がいないため事故の時には加入している保険会社と自分でやりとりしなければならないことを説明しました。

見積りは正直面倒だと思います。一括見積りサイトがあるとはいえ、それは入り口にしかすぎず、自分の条件で正確に見積るには各社保険会社のサイトで試算する必要があるからです。また、ダイレクト型の保険会社はリスク細分に関する考え方に違いや特徴があり、横並びで比較できるものではありません。

例えば、年間の走行距離が保険料に反映される会社とそうでない会社があったり、運転者の年齢条件区分の違いや古い車では加入できる車両保険金額が異なったりします。これが自動車保険見積りの手間がかかるところですが、万が一の時の保険であり決して安い買い物ではないはず。1年に1回の更新の時くらいは根気よく見積りをしてみるべきでしょう。

そうやって見積りをすることで知識も自然に深まりますし、ダイレクト型への抵抗感も自然に消えて行くかもしれません。自分が主体的に自動車保険を考えるよいきっかけになるのではないでしょうか。

次のページでは「おすすめプランはしっかりチェック」を紹介します
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