新開発のキヤノン製CMOSセンサーの実力は?
まずは独自開発CMOSセンサーの採用だ。従来の他社製CCDセンサーから自社開発のCMOSセンサーへの切り替えはかなりの英断だったろうが、最新の映像エンジン「DIGIC5」との組み合わせで、ノイズ発生レベルを約1/4に抑え、常用最高感度をISO6400までアップするなど、特に暗いシーンの画質が大幅に向上。サイズは従来と同じ1/1.7型だが有効画素数は1210万画素にアップした。ほかにもS95に比べて連写性能が1.9コマ/秒から9.6コマ/秒に、720pのハイビジョン動画がフルハイビジョンの1080p/24fpsにアップ。撮像センサー変更の英断は大成功といってもいいだろう。
搭載ズームレンズも開放絞り値F2.0の明るさを キープしたまま光学5倍となり(S95は3.8倍)、広角側は24mm相当、望遠側で120mm相当までをカバー。広角化と高倍率化を実現しながら本体奥行きは約2.8mm薄くなった。数値的にはわずかだが、実際に持ち歩くとこの薄さは効いてくる。
新設計の光学5倍ズームレンズ。両面非球面UAレンズや高屈折・高分散ガラスレンズなど高級レンズを多用している
広角24mm相当の5倍ズームレンズを搭載。広がりのある画作りが可能だ
GPS機能の搭載でSNSとの連携を強化
そしてもうひとつ興味深い機能がGPS機能の搭載だ。スマートフォンや携帯電話のカメラ機能ではおなじみのジオタグを写真情報に加えられる機能で、付属ソフトで移動ルートを確認できるロガー機能やGoogle Mapとの連動などに活用できる。必要不必要は意見の分かれるところだが、使いこなすとこの上なく便利な機能であることは確か。ただしSNSなどにアップする場合には個人情報の流失に注意を払う必要がある。また、GPS機能ON時にはバッテリー消費が意外に増えるので、この点も要注意だ。
GPSアンテナは本体上部に装備。薄型ボディにピッタリ収まっている
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