戸建てに住んでいる人が多い
理想の家の建て方を紹介する前に、アンケート対象となった人たちの現実の住まいを見てみましょう。全体としては一戸建てに暮らしている人が63.1%。こちらも年齢が高くなるにつれ、一戸建て暮らしの傾向が高くなっています。62.2%の40歳代が全体の平均像に最も近く、50歳になると72.5%、60歳代は83.3%、70歳代以上は91.9%と、かなりの高い数値になっています。この結果を地域別に見てみると、地方と都市部の差がよくわかります。例えば、四国の79.7%、北陸の76.6%、北海道の70.8%。それに対し、関東は52.1%、近畿が53.3%と、かなり低くなっていました。やはり、東京や大阪など大都市を含む地域での戸建て取得は難しいことがうかがえます。
理想の住宅も戸建てを望んでいる
持ち家を理想の住まいとしている人は年代に関係なく多いようです
71.8%の人が戸建て住宅を選んでおり、マンションなどの共同住宅は22.4%。年代別で見ても、50歳代が67.1%とやや低いものの、20歳代の72.6%から70歳代以上の75.7%までのすべての世代で70%を超えているのが驚きです。この傾向は地域別でみても変わりません。現状で戸建て率が低かった大都市圏を含む地域で見ても同様で、関東、近畿ともに67.4%と、50%を大きく超えていました。
ただ、興味深いのが、60歳代と70歳代以上の共同住宅を理想とする割合です。
現在の住まいで見ると、共同住宅は60歳代13.6%、70歳代以上5.4%ですが、理想の住宅では60歳代20.5%、70歳代以上13.5%と増加しています。
つまり、この年代では一戸建てよりマンションのような共同住宅を理想とする割合が、現在の住まいと比べて増えているのです。
新築か中古かではやはり新築だが…
では、理想とする住宅は新築なのでしょうか? 結果はやはり新築住宅。全体では57.5%の人が新築住宅を希望しています。実は、年代別で見るとばらつきがあって、20歳代60.3%、30歳代61.2%、60歳代67.4%、70歳代以上62.2%に対して、40歳代52.8%、50歳代50.3%と、全体の半分くらいまで落ち込んでいます。また、「特にこだわらない」と言う人の割合も、全体で35.6%と、あるていどのボリュームを持っています。調査結果ではこの状態を、「中古住宅に対する潜在的ニーズが垣間見られる」としていますが、どうなのでしょうか? 実際にニーズがあって伸びてくるのか、それともあくまでも「こだわらない」なので、やはり市場は新築メインのままなのか…。今後の傾向も注意深く見守っていきたいと思います。