「門前の小僧、習わぬ経を読む」は、普段見聞きしていると、いつのまにかそれを学び知ってしまう、環境が人に与える影響が大きいことのたとえとして、よく引き合いにだされるフレーズです。「孟母三遷」も同じ場面でよく使われます。日々の暮らしは住環境に大きく左右されるものです。自分に合った住まい以上に、住まいを取り巻く住環境についてもイメージしておく必要があります。

住まいの形態は住環境に影響される 

そもそも、住まいの形態そのものが住環境に大きく影響されます。たとえば、駅前の便利だけれど騒がしい地域に建つのは、一戸建てではなく、遮音性の高いサッシを使った夫婦共働きや独身向けの超高層マンションが多い。駅徒歩10分超もしくはバスを利用する閑静な住宅地周辺には学校が多く、パチンコ店や多くの人が出入りするショッピング施設は少ないので、多少不便ではあるけれど子どもを育てるには良いことからファミリー向けの一戸建てが多い。というように、住宅はそれをとりまく住環境をインフラとして、その特性に応じて建てられるからです。

暮らしは住環境で大きく変わる 

また、暮らし自体も、住環境におおきく左右されます。私自身の経験でも、本所吾妻橋に引っ越すと、週末は浅草や上野の落語に行く機会が増えたり、朝顔市、ほおづき市に出かけバルコニーにそれらの鉢が並ぶなど、伝統的な日本の生活文化が、ごく自然に日常の暮らしに入りこんできました。勝どきに住むと、築地場外市場で食材を買ったり、月島商店街でもんじゃ焼きを食べたり、食生活に大きな変化がおきました。青山の近くに住んでいたときには、ブランド店のショーウィンドウや通りを歩く人の姿を見ながら、最新のファッショントレンドが、女性誌の特集より先にキャッチする(私がおしゃれ上手になったかどうかは別です)ことができました。このように、そこに住んでいるからこそ得られる情報や経験は暮らしの満足度を高めます。

また、独身時代に住んだ埼玉郊外のニュータウンでは、夜遅くまで開いているスーパーや飲食店がなく、残業続きの毎日を送る当時の私は、不便な暮らしを送る(自分で選んだ環境なので誰にも文句は言えません)ことになり、間もなく引っ越す破目になってしまいました。このように、自分の暮らし方に合わない環境を選んでしまうと、住めば都とはいかず、転居という結末が待っています。暮らしの満足度は住環境に大きく左右されるのです。

徒歩20分圏内の住環境があなたの暮らしを左右します。詳しくは次のページで。