男のこだわりグッズ/手帳・ノート

カスタマイズフリーで長く使えるシステム手帳を見直す(2ページ目)

自分なりの手帳を求めて、カスタマイズするユーザーが増えている昨今、システム手帳のフレキシビリティに再び注目が集まっています。革小物のレベルが上がり、バインダーにも名品が増えてきたシステム手帳を、もう一度見直してみませんか?凄まじく贅沢なカバーを例に、システム手帳の魅力を再確認してみました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

愛用の筆記具を安心して収納できるペンケースを内蔵

システム手帳03

本格的な一本挿しのペンケースが本体に内蔵されている

この「シムシムSMT」の最大の特徴は、システム手帳のバインダーに、T.MBH最大のヒット作でもある、一本差しのペンケースの名品「グリマルディ」が、そのまま内蔵されていること。高級万年筆も、その革だけで作られたシェル構造で包み込んで保護するグリマルディは、多くの万年筆愛好者に使われるペンケースの極北。芯さえも革で作られ、手縫いでしっかりと縫製され、驚くほどスムーズにペンを出し入れできる名品です。使用するペンに合わせて作ってくれるセミオーダーなので、愛用の一本にぴったりのケースに仕上がります。
システム手帳04

ペンの重さで表紙がピタリと閉じる

しかも、そのグリマルディが表紙側に取り付けられているので、ペンを入れて表紙を閉じると、ペンの重さで表紙がぴたりと閉じるのです。この構造のおかげで、表紙に留め具などを付ける必要がなく、スッキリと、しかし機能的に仕上がるのです。同様に、筆記するのでは無く、単に内容を確認したい場合も、ペンが入ったペンケースの重さで、机上でキレイにページが開きます。背の部分を、補強材を別にして作っているので、しっかりした革素材を使いながら、背の開きがスムーズで180度開くのも、この手帳の魅力ですが、ペンケースの重さで、さらに手で押さえる事なくページが開く訳です。

黒桟革を使ったヘビーデューティーな仕様

システム手帳05

漆で仕上げた黒桟革は迫力と品が融合して、まるで茶道具のような風合い。コバの仕上げも見事だ

外装は、黒桟革という剣道の胴の胸部などに使われる素材で、美しさと強さを兼ね備えた高級素材。牛革の表面に植物の渋と鉄を塗り、さらに漆を塗って仕上げる日本独特の素材で、革ですが、どこか侘寂のムードを強くイメージさせる独特の雰囲気があります。使い込むと、歴戦の兵のような、少し色が抜けてザラッとしたムードに変わりますが、爪で擦ったくらいでは傷は全くつかず、キレイなままで経年変化が楽しめるという、とんでもない素材です。

裏地はクローム鞣しの型押しながら、柔らかできめ細かい質感のノブレッサカーフを使い、内側のポケットには、ぬめっとした革ならではの質感のクリスペルカーフを配置。ペンケース部分はグリマルディ同様、経年変化が楽しめるブッテーロを用い、クリップが当たる部分は強度のあるリザードを使用。T.MBHならではの、革の特製を考え抜いた上で選ばれた複数の革の配置になっています。上手いなあと感心するのは、システム手帳のバインダー部、リングの跡が表に出てこないように、クリスペルカーフでリングが当たる部分を補強している所。ちょっとした工夫ですが、長く使うためにとても重要な仕事になっています。
システム手帳06

リングはやや径が小さいタイプにして薄さをキープ。リングの外側に補強用の革が貼られているのがポイント

コバの磨きによる小口の一体感、ペン挿し部分と本体の継ぎ目の美しさ、ステッチの丁寧さなど、どこを見てもため息が漏れるレベルの仕事ぶりは、革小物のお手本のようなもので、それらが全部、装飾では無く実用性に奉仕している事が、使っているとよく分かります。特に、立ったままで書く時の、支える手への負担の軽さと、筆記のスムーズさは、明らかに他のシステム手帳と違うのですが、どこがどう違って、その快適さが生まれるのか、理由は分からないけれど、使い勝手の良さだけは伝わってきます。


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