お酒を飲むと眠くなる

古今東西、昔から私たちの生活を豊かにしてくれてきたお酒。20歳になってからとか、適量を守りましょうとかいくつかの注意点はありますが、人間関係を円滑にしてくれたり、ちょっとしたストレス解消に役立ったり、はたまた、料理の味を引き立たせてくれたりと、私たちの生活を豊かに彩ってくれます。
その一方で、酔いが回ってくると泣き上戸や笑い上戸など微笑ましいものから、怒り上戸などちょっと迷惑なものまで、色々な反応が見られるようになってきます。そんな一つが眠気。
実はお酒を飲むと、かなり眠気が強くなります。個人差はあるようですが、その昔粕汁でも爆睡していたので、今でも眠くなることがしばしばあります。

眠れない時にはお酒!?

不眠にお酒

眠れないというのはつらいものです。そんなとき、お酒に手が伸びるという方もいらっしゃるのでは?

これを逆手に取って、眠れない時にお酒を飲むという方も少なくありません。確かに、適量のお酒を飲んで、眠たくなって、手足もポカポカ。泥のように寝て、朝、すっきりするという経験は、私もあります。
また、「寝酒」や「ナイトキャップ」など、寝る前に飲むお酒の表現もいくつかありますし、私が診察室でお会いする方の中でも、眠りづらいのでお酒をいただくようにしている、という方は、確かにいらっしゃいます。
しかし、眠れない時にお酒を飲むことは決してよいことではありません。
その理由としては、以下の3つが挙げられます。


1.飲み過ぎによる身体への負担

お酒は肝臓に悪い、ということはよく知られています。お酒は美味しいモノですが、別の見方をすればアルコールという薬物ですので肝臓で分解されます。肝臓に負担をかけすぎないためには、週に2日程度の休肝日(48時間、肝臓を休ませること)を作ることが必要ですが、「寝る前の一杯」ということになるとこれがままならなくなります。

2.アルコールへの依存性
アルコールの依存性

睡眠薬の依存性を気にする方は少なくないのですが、アルコールの依存性を忘れてはいけません。


また、不眠で悩まれていて、すでに睡眠導入剤を使用している、もしくは使用を検討している方に多いのが、「睡眠薬はクセになりそうでコワイので、お酒を少しだけ頂くようにしています」というお話です。
確かに、そのお気持ちはわかるのですが、実はクセになる傾向が強い(依存性がある)のは、一般的な睡眠薬(睡眠導入剤)よりもアルコールの方です。お酒の量が増えていくと、アルコールの興奮作用が見られるようになり、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒などを引き起こし、最終的には睡眠の状態をわるくしてしまいます。
キッチンドランカーといって、ご家庭の主婦が少しずつお酒を飲んで依存性が高くなってしまうという事例もあるように、アルコールの依存性、習慣性については、認識を正しく持っておくことが重要です。

3.睡眠薬との併用
 さらに、注意が必要なのが、睡眠薬とお酒が結果的に併用されているパターンです。お休み前のお酒をいただいたあと、そのまま、医師から処方された睡眠薬をのんでしまう。
アルコールもお薬も肝臓で分解されますが、これらがかぶると、お薬が長く効きすぎてしまい、翌日にも薬が残ってしまう可能性があります。

睡眠のためのお酒はやめましょう

適量のお酒が大切

適量のお酒は、料理をおいしく、そして 人生を 楽しくしてくれます。

睡眠薬の習慣性や依存性が気になるという声は、診察室でもよくお聞きします。そのご心配はもっともだと私も理解できますが、習慣性や依存性という観点からは、アルコールの方が影響が大きいです。あわせて、ある程度の量が増えると興奮作用がでてくることを考えると、睡眠を目的としたお酒というのは避けるのが良いでしょう。
お酒は、やっぱり、適量を楽しくおいしくいただく、というのがいいようです。
 
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