食と健康/健康的な体型づくりと食生活

カロリーさえ低ければいいの?(2ページ目)

今年はダイエットに役立つ社員食堂の低カロリーレシピ本を初め、低カロリーなお惣菜やビュッフェなども多く登場しました。確かに低カロリーも大切ですが、でもそれだけでよいのでしょうか。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

低カロリーにするための工夫や食べ方が重要

食べ方,工夫低カロリー

ダイエット役立つ低カロリーレシピにすたるめの工夫や食べ方を実践することが重要

私がいくつか見た書店では低カロリーレシピがあまた並べられていましたが、ただ低カロリーレシピを紹介するだけの本も何冊かありました。その点、『タニタの社員食堂』のレシピや内容はたいへんよくできていると思います。

「野菜をたっぷり使用し、塩分控えめ、1定食あたり500kcal前後に設定」が基本ですが、低カロリーに仕上げるためのポイントや、食生活を改善していくためのアイデアが紹介され、たいへん役に立つものです。「500kcal」に仕上がるための工夫が重要で、私たちがそれをきちんと理解して、実践することが大切だと思います。

レシピ本を監修した同社の管理栄養士さんの工夫は
  • 油を制限する : ひき肉など脂の多い素材には炒める時に油を使用しない。オーブンを利用して油を使わず調理する
  • 塩分を減らす : だしや旨み、香味野菜、スパイスやハーブなどを上手くいかす
  • 見た目とお腹の満足感 : なるべく季節の野菜を使い、色合いを楽しめるようにする
と紹介されています。

薄味でも、出汁が効き、スパイス、薬味などの香りで味に深みがでますと、おいしくい感じることが満足感にもつながります。

こうした工夫を盛りこみ、ごはんを主食に野菜や海草、豆類など幅広い食品で「一汁三菜」をベースに、栄養面でもバランスのよい献立になっていることがよい点です。エネルギー源の糖質をとっても、エネルギーにかえるために必要なビタミンB群やミネラルが不足していては、エネルギーにならなかった糖質は脂肪として蓄積されます。

低カロリーだからと安心せずに、様々な栄養素や成分を摂取できるように、「一汁三菜」等の献立を参考に、栄養のバランスを心がけましょう。

社員食堂の定食を食べ続けてきた社員さんたちは、初めは物足りなさもあったけれど、今は十分満腹感や、薄味でも満足感を感じておられます。続けることでいつのまにかやせていた、というのは、無理に「何かを食べない」ダイエットではなく、理想的ですね。

主菜が肉でも、野菜はたっぷりと使用していますし、少し固めに茹でたり大きめにカットしたり、皮つきのままにするなど、噛む回数が増えるように工夫されているのはとてもよい点だと思います。

早食いの人ほど肥満になりやすく、またよく噛むことは肥満を防ぐことに役立ということは以前の記事にもまとめています。低カロリーメニューを食べていない時でも、ぜひ意識してよく噛むように心がけるとよいでしょう。

参考/
平成20年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)
統計局ホームページ 保健・医療(総務省)
「国民栄養の現状」(独立行政法人 国立健康・栄養研究所)
・『時間栄養学』(女子栄養大学出版部)
・『肥満を科学する』(財団法人 日本食肉消費総合センター)
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