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砂漠のロールス・ロイスが200万円切り

レンジローバーと言えば、たいていの人が名前くらいは知っている超がつくほどの高級SUV。本当に貴族が乗るためだけに作られたんじゃないかと思うほど豪華で、しかしオフロード性能は本格派……それがいよいよお手頃になってきました

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

新車時875万円がとうとう4分の1以下に!

気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はランドローバー・レンジローバー(現行)を取り上げたいと思います。
レンジローバー フロント

初代、2代目のイメージを現代的なイメージへとうまく昇華させたデザイン。初期型のエンジンはBMW製の4.4Lですが、川の中も走るレンジのために改良されています。最低地上高は2代目より高くなったこともあり、さらに道を選ばず走ることができるようになりました


砂漠のロールス・ロイスという異名を持つレンジローバーは、新車時価格も当然ながらそれなりで、現行型である3代目は795万円~985万円というプライスをかかげて2002年7月にデビューしました。それから9年が経ち、とうとう原稿執筆時点での最安値が198万円(2002年式/7.7万km/修復歴なし)に。ちなみに見つけた車のグレードはHSEですから、新車時価格875万円がついに4分の1以下にまでなってきたというわけです。

開発当初はBMW傘下で、販売時にはフォード、さらに現在はインドのタタグループの一員という数奇な運命をたどっている砂漠のロールス・ロイス。そのため中古車での狙い目となる初期型はBMW製のV8 4.4Lエンジンを搭載しています。なお2005年6月からはジャガー製のV8 4.2Lスーパーチャージドと4.4Lのエンジンに変わっています。
レンジローバー   リア

リアゲートが上下に開くのはレンジローバーの伝統。最大積載量は535Lもあります。スペアタイヤはラゲージ下に収納。横滑り防止のDSCを備えるほか、悪路の坂道をゆっくり(4km/h以下)下ることのできるヒルディセントコントロールも装備しています


最近のセダンや他のSUVと同じように近代的なモノコックボディを採用しているため、2代目と比べて劇的に改善された乗り心地ですが、初期型で言うならば同じエンジンやミッションを持つBMW 5シリーズ(旧型)の乗り味とは明らかに異なります。そのあたりは、やはり4WDの王者としての風格と言いますか、オフロード性能をきちんと重視したゆえ、もっと言うなら「レンジローバー」としての味付けというのがしっかりとなされています。

ちなみにこの3代目の試作車は南北アメリカ、スカンジナビアやイタリア半島、ヨーロッパ、中東、極東、アフリカ、オーストリアなど世界25カ国を「ワールドテスト」と称して3年以上も走ったといいます。その中にはニュルブルックリンクのレーシングコースや、東京のラッシュ時の渋滞まであるのだとか。砂漠のロールス・ロイスという看板を背負うのも大変なんですね。

かくして最高級SUVが名実ともに登場したわけですが、ようやく200万円を切るほどおいしくなってきました。もちろんまだまだ魅力はいっぱい。次ページでさらに詳しく見ていきましょう。
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