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都市型住宅について(3) 屋上利用(緑化)を考える(2ページ目)

ガーデニングがブームとなっています。それは都市部においても同様で、街を歩くと屋上でガーデニングを行っている住宅をよく目にします。そこで今回は屋上利用や屋上緑化をテーマに、都市型住宅について考えてみたいと思います。メリットだけでなくデメリットもあるようです。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

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屋上利用のデメリットとは、「そもそも本当に利用する(できる)の?」ということです。2階建ての屋上ならまだしも、3階建ての屋上というのは、上り下りだけでも大変だということにまず留意しましょう。

屋上緑化

屋上の緑化は、ヒートアイランド現象の緩和といった地球環境や周辺環境への配慮策としても有効。そのためハウスメーカーなどで積極的に提案されるようになった(クリックすると拡大します)

若いうちでしたら何とでもない上下移動は、年齢を重ねると確実に身体の負担となります。そうすると屋上が利用されなくなる可能性が出てくるのです。

都市型住宅を得意とするあるハウスメーカー関係者によると、屋上を利用したプランの住宅にお住まいのユーザーの中で、実際には時間の経過と共に利用しなくなったという方が結構多いということでした。

原因は、ガーデニングなど屋上利用をしたいという家族が身体的な理由から使用しなくなったとか、様々なよう。そもそも、ガーデニングやファミリーパーティーをしない人が、入居後の「夢」として設置するケースもあるようです。

何でもそうですが、「三日坊主」になりそうなことは取り入れない方がベターだということです。将来的に使われなくなるというケースが多いというのは考え物ですから、注意が必要なのです。

そんなことを想定した商品も。旭化成ホームズ「ヘーベルハウス スカイコテージのある家 天空こども城」(11月発売)という商品では、屋上スペースに「居住空間」を隣り合わせたプラン提案が行われているのが特徴です。

いわば2.5階建てと位置づけられる商品ですが、居住空間との連続性がある屋上なら、ユーザーにとっても利用し続けられやすいという配慮があるのです。なかなか考えられた商品です。

あなたのライフスタイルに適しているのか検討を

住宅を建築することは非常に高額であり、「一生の中で最も高価な買い物」といわれます。できるだけ、愛着ある「我が家」として長く有効に活用したいものです。

天空こども城

「スカイコテージのある家 天空こども城」の2.5階部分。窓の外に本格的なガーデニングを施した「庭」がある(暗くて見えづらくてすみません。クリックすると拡大します)

だからこそ、使われなくなる可能性があるものを取り入れるのはあまり賢明ではありません。屋上を活用し、かつ緑化するというのはそれなりにコストがかかります。それが将来的にムダとなるのであれば、後々に後悔する原因となりかねません。

住まいづくりの過程では、依頼先となるハウスメーカーなどから様々な提案が行われます。しかし、その中で「本当に自分たちに必要なのか」を吟味する必要も出てきます。

屋上利用はその代表例というわけ。都市部で「庭」を確保するというのは大変なことですが、皆さんのライフスタイルをしっかりと検討して、採用の是非を決めていただきたいと思います。

【関連記事】
都市型住宅について(1) 基本編
都市型住宅について(2) 二世帯住宅の「宿命」

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