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未来的なルノーアヴァンタイムが160万円から

コンセプトカーのまま市販化されたかのようなルノーアヴァンタイム。今なお宇宙船のような内外装デザインは新鮮です。加えて高級車でしたから装備的にも今乗っても十分使えます。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

ただのコンセプトカーだと思ったら市販化された

アヴァンタイム フロント

とても大きなドアが2枚。ダブルヒンジが採用されているので、ガバッと大きく開きますから乗降性に問題はありません。またボディパネルにFRPが採用されていて、例えば一度ドア部分に軽く追突されたことがありますが、ボコッと凹んだと思ったら当たっていた車が退くとキレイに復元しました。キズもありませんでした

気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はルノーアヴァンタイム(絶版)を取り上げたいと思います。

12月3日から東京モーターショーが開幕するわけですが、世の中エコ一辺倒でアヴァンタイムのような夢のある「市販車」が果たして出て来るのでしょうか? 出たとしても中古車となって我々に身近な価格になるのはまだまだ先かもしれません。だとしたら、中古車でしか買えない今、新車時500万円だったアヴァンタイムを160万円~(原稿執筆時点)で買うのはアリではないですか?

アヴァンタイムがジュネーブショーでデビューしたのは1999年。同年秋の東京モーターショーでも展示されましたが、正直その時はまさか市販化されるとは思えませんでした。なにしろ同社のエスパスをベースに作られた車です。つまり「ミニバンをクーペに」造り替えたのです。トヨタで言えばエスティマをベースにクーペを作るような話。7~8人乗れる3列シート車から5人(気持ち良く乗るには4人)しか乗れない2ドア車を作る発想は、おそらく日本メーカーにはそう出てこないアイデアです。

アヴァンタイム   コンセプトカー

コンセプトカーの時のアヴァンタイム。上の市販車と比べてもらうとわかるように、ほぼそのままのカタチで販売されました。2ドアスペシャリティの新しいカタチを提案した車です。2ドアだからってすべて車高が低くてタイトな空間でなくて良いだろ、的な提案です

製作を担当したのは、F1やルマンでも活躍した経験のあるマトラ社です。当時はルノーから請け負ってエスパスの開発・生産を担当していました。「ねぇ、エスパスをベースにこんな車を作ったんだけど、どう?」「あ、いいね。売ろうか」なんて展開だったかどうかは知りませんが、とにかく提案したのはマトラ。それを許諾したルノーも英断だったと私は思います。

とはいえ商業的には失敗に終わり、全生産台数は8545台、国内正規輸入は206台と寂しい数でした。逆に言えば、それがこの車の希少価値となるわけですけれど。

先ほど「まさか市販化されるとは思わなかった」と言いましたが、しかし同時に市販化を願ったのも事実。そして2001年ついに市販化が開始され、2002年に日本にも導入が始まったと思ったら、2003年にマトラ社の自動車産業撤退と同時に生産が終了。とはいえまだ在庫が残っていると聞いた2004年に、私はとうとう我慢できずに買ってしまいました。こんな車、二度と出てこないと思ったからです。

このように個人的にもかなりお気に入りのアヴァンタイム。その魅力を次ページでさらに詳しく見ていきましょう。

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