VW(フォルクスワーゲン)/up!

走りはちゃんとVW、シンプルが心地よいup!(2ページ目)

VWから魅力的なコンパクトカー、up! が登場。日本の“第3のエコカー”と同じ流れのFF2BOXパッケージに、ガソリン3気筒エンジンを搭載する。VWテイストを継承する走りで、日本のコンパクトに乗りたくなくなる程のデキだ。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

100万円台半ばなら、日本でもブームが起きるはず

VWup!

ガソリンエンジンは最高出力60psと75psを発生する2タイプの999cc直3を搭載。本国ではディーゼルや天然ガス仕様も用意され、2013年には電気駆動モデルも追加される予定だ


ローマ郊外で60psと75psの両方を試してみた。いずれも5MTを組み合わせる。

はっきり言って、遅いクルマである。アメリカ人が「アクセルペダルが壊れている! 」と叫んだとか、叫ばなかったとか。特に60ps仕様は、街中でこそトルク特性が同じなため不自由を感じないが、中間域以上ではっきりとかったるい。とはいえ、それが嫌で嫌でしょうがないかと言えば、そうでもないのが面白いところ。むしろ遅いなりに自然な力の盛り上がりがあって、しかもドライバーとシンクロしてくれるから、気分はいい。

シンプルな構造の3気筒エンジンだというのに、もの凄く静か。嫌味な振動も感じられない。乗っている最中は3気筒であることを忘れてしまうほど。特に静粛性に関しては、上級モデル級だった。

それだけじゃない。up!の凄いところは、シャシー性能、つまりはその乗り味にあった。さすがにゴルフ級、とまではいかないけれども、ポロ級であることは確か。軽快で自然な動きはもちろんのこと、乗り心地も適度にしなやかで心地いい。

高速道路もまず、130km/hまで問題なく走った。あまりに安定しているので速度も自然と上がっていき、もう1速欲しいと思ったほどだ。
VWup!

今年12月からの欧州での発売に先立ち、ドイツ本国では9月から先行販売が行われている。エントリーモデルのtake up!、機能充実のmove up!、最上級モデルのhigh up!をラインナップする

ベストチョイスは、高速での安定感で上回る、16インチ仕様の75psモデル。日本への上陸は、5ドアとロボタイズド2ペダルを待って、来年半ば以降か。注目は価格。ヨーロッパでは1万ユーロから。ユーロ安が続いて、100万円台半ばの価格設定がなされれば、ちょっとしたup!ブームが起こるはずだ。と、同時に、ヴィッツやマーチはお役御免??


【関連サイト】
フォルクスワーゲン

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