「なんとなくイヤ」の正体とは
皆さんは、会ってスグの人に対して「なんとなく暗い人だな」「何となく話しかけづらいな」と感じたことはないでしょうか?そういった「なんとなくイヤ」という感覚の正体は、無意識に行われている「印象の形成」がネガティブなものだから。人の第一印象が形成されてしまうのは数秒とも数分とも言われており、服装や容姿などの視覚情報、話す内容などの情報、話している雰囲気などのコミュニケーションスタイルなどから総合的にジャッジされます。私たちは無意識のうちに、こういった判断を短時間で行っており、ネガティブな印象形成が行われた時に「なんとなくイヤ」と感じるのです。こういった「なんとなくイヤ」という印象を持たれないためには、見た目(非言語コミュニケーション)を含めたコミュニケーションスタイル全般に注意を払う必要があります。話し方ではどのような点に気をつければいいのでしょうか。
2ステップでチェック!第一印象をあげる話し方
スマートフォンなどの自分撮りでも、話し方の雰囲気がつかめる
- 初対面で好まれやすい印象を確認しておく
- 好まれる印象が相手に伝わるよう話し方をチェックする
ステップ1として、まずは「人から好まれやすい印象」を確認してみましょう。
皆さんは、初めて会う人からどんな印象を受けると好感を持つでしょうか。まずは自分が考える「好まれやすい印象」を挙げてください。どんな人に好感を持つか思い浮かばないという人は、どんな人に対して「イヤだな」と思うかを挙げて、それを逆にすればOKです。
【 好まれない印象と好まれやすい印象の例 】
暗そう → 明るそう
冷たそう → 優しそう
つまらなそう → 楽しそう
調子が良さそう → 誠実そう
自分勝手そう → 思いやりがありそう
こういった「好まれる印象」を与えられるような話し方をすれば、第一印象で損をすることが少なくなります。気をつけたいのは、実際に明るいかどうかではなく、明るく「見える」話し方が必要だということ。実際は思いやりのある性格だとしても、自分の話ばかりしていては自分勝手な人という印象を持たれたりします。ステップ2では、持たれたい印象が相手に伝わっているかどうかをチェックしましょう。
例えば「明るい」という好ましい印象を与えたい場合、以下のような第三者目線で確認します。
- 明るい人はどんな話題を選ぶか(話す内容)
- 明るい人はどんな声の大きさで話すか
- 明るい人はどんなテンポで話すか
- 明るい人はどんな表情で話すか
- 明るい人はどんな姿勢で話すか
本当は明るい性格だったとしても、「下向きかげんで、ボソボソと話す」というコミュニケーションスタイルでは「暗そうな人」と評価されてしまいます。
一般的に明るい人がとるであろうコミュニケーションスタイルができているか全身が映る鏡の前で確認してみましょう。
話している姿を動画で撮ってみるというのもいい方法です。多少手間はかかりますが、一度やってみると意外な癖などに気づくことができます。印象のいい話し方を手に入れることができれば一生モノの財産になるのですからやってみる価値は十分あります。最近は、デジカメやスマートフォンなどでも手軽に動画を撮影することができます。自分撮りでも雰囲気はつかめるので試してみては?
アンケートによると、面接に備え見た目や話の内容に準備をしても、声の大きさや表情といった非言語コミュニケーションまではチェックしていない・・・という人が多いそうです。しかし、短時間で行われる私たちの「なんとなく・・・」というジャッジは
非言語コミュニケーションからも大きな影響を受けています。面接など大事な機会を前にした時はいい機会です。ご紹介した印象アップのための2ステップをぜひ試してみてください。
視点を変えて、悪い印象を良い印象に
弱みを直すトレーニングの前に、悪い印象をいい印象に変えられないか考えてみよう
例)
おとなしい、暗そう → 落ち着いた、奥ゆかしい
話しベタ → 思慮深い、誠実
一見欠点のように見えるコミュニケーションスタイルも、少し視点を変え、見え方の工夫をすればプラスの印象になります。これなら、面接直前でもできそうですね。
2ステップなら出来る!ネガティブワード撲滅週間
自分の話し方の具体的な改善点はわからないけれど、なんだか悪い印象を与えてしまう・・・とお悩みの人もいると思います。そんな人に、まず取り組んでみてほしいのが「ネガティブワード」を減らすこと。ネガティブワードは無意識に発していることがほとんどなので、自分では気づかないことが多いのです。そこでまずは一週間、自分にネガティブワードを禁止してみる「ネガティブワード撲滅週間」を作ってみましょう。やってみると意外に難しく、ネガティブワードの多さに驚く人も少なくありません。物事にはどんなことにも「いい面」と「悪い面」があります。ついつい悪い面ばかりに目がいってしまう人、慎重に考えすぎてしまう人には特におすすめです。
ネガティブワードの撲滅も2ステップでやってみてください。思考の癖や無意識の発言を直すのは難しいので、ステップ1として、まずは「D言葉」を使わないということに注力します。D言葉とは、「でも」「どうせ」「だって」といったDを頭文字にしたネガティブワードのこと。Dの禁止なら、スモールステップとして簡単に取り組めるはずです。
これができたらステップ2として「言い回しの癖」に注意してみましょう。
話をするときに「でも、~ですよね」という「否定+主張」の言い回しが癖になっている人がいます。悪気はまったくないと思いますが、こういった言い回しは相手に悪い印象を与えてしまうNG例の典型です。1回ならまだしも、何度も繰り返すと相手に「なんだかイヤだな」という印象を持たれてしまうので注意してください。相手と反対の意見を言う時には、「でも」という言葉を省いて「なるほど。こういう考え方はどうですか」といった「肯定+主張」のコミュニケーションに変換すればOKです。最初は難しくても、英会話を覚えるように習慣にしてしまえば大丈夫。印象で損をすることが減らせます。
印象のいいコミュニケーションスタイルというのは、自分の財産になります。面接や合コンなどはいいきっかけです。一度、自分の話し方を見直してみてはいかがでしょうか。