悪質なケースの場合、午後8時とか9時まで作業しているケースも見受けられます。工期を守ったりコストを下げるためにやむを得ず行われていることなのですが、こうした点にもしっかり配慮できるハウスメーカーなり工務店に住宅建築を依頼したいものです。
都市型住宅の建築で近隣に及ぼすプレッシャー
今お住まいの住宅(2階建て)を建て替えて3階建て住宅を建てるとします。実はそれは周囲の住宅にお住まいのご近所さんにとっては、大変なプレッシャーになる可能性があることをご存じでしょうか。火災の様子。この住宅は防火性能の高い建材を使用していたため、周囲への延焼はなかった。また、今ではきれいに補修され住み続けられている
「上から覗かれる」と懸念するご近所さんも。できるだけトラブルを排除するためには、開口部を適切に配置し、自らのプライバシーと近隣のプライバシーを両立し、さらには陽当たりや風の通りをよくするかまで、プランニングに工夫することが求められます。
都市型住宅の難しさはこのようなご近所への配慮まで必要になるということ。様々なハウスメーカーや工務店などが都市型住宅建築に参入していますが、こういった細かなポイントにまで配慮できるか、にも留意したいものです。
さて、土地取得から都市型住宅の建築を考えている方も多いと思われますので、以下にポイントをご紹介します。例えば公道に面しておらず周囲が建物に囲まれた土地。一般的に「旗竿敷地」と呼ばれます。これは特に建築条件が厳しいのですが、それは建築資材を運び入れることが大変難しいからです。
都市部には入り組んだ路地に密集して住宅が建ち並んでいるエリアも多いもの。そのような場所では周囲の住宅が建て替わって、ポツンと1軒だけ老朽化した住宅(あるいは土地)が残っていたりするケースがあります。そういう土地はいわば「死に地」であり、建て替えや新築ができない場合もあります。
その土地は本当に住宅建築に適している?
仮に建築が可能である場合でも、建設用資材を全て人力で運び入れる必要があるケースもあり、この場合、施工費用が非常に高くなります。ですから土地選びの際には、価格や利便性などだけで土地の善し悪しを判断するのではなく、その土地が本当に住宅建築に適しているのかまで見極めましょう。都市部には入り組んだ狭い路地が数多くある。仮にこのような場所で住宅を建築する場合、トラックなどが入らず建築資材を人力で運ばなければならないケースも。防災の点でも難がある
これは資産価値にかかわること。超狭小だけでなく狭小住宅の難しさはそれだけではなく、通風や採光、さらには安全性の確保(私のこだわりの一つ、階段の傾斜など)などにも無理をせざるをえず、結果的に長期にわたって満足度の高い住宅を建築することが難しくなるのです。
ですから、私の意見は老朽化した持ち家を建て替えるのならまだしも、わざわざ超狭小の土地を購入して超狭小の住宅を建築するのはやめた方がいい、ということです。それならマンションライフの方が将来的にも高い満足度が得られるのではないでしょうか。
不動産会社経由で土地選びをする場合、住宅建築にどのような制約や条件が付くのかまで十分に説明しないケースもあります。そうした場合、皆さんが希望しているような住宅が建築できない場合もありますので注意が必要になります。つまり、それだけ土地の善し悪しの判断は難しいということですし、それは都市の土地だけに限らないことです。