住宅性能はますます高まる傾向
この調査によると、長期優良住宅は昨年よりもさらに増え、73.7%という非常に高い割合になっています。この数値が示すように、今、家を建てている人たちの住宅性能に対する意識は高まっており、実態として高い性能の家が増えつつあることがわかりますね。地域別に見ても、東京圏で70.1%、名古屋圏で75.5%、大阪圏77.2%のほか、地方都市圏でも73.7%といずれも高い割合を占めており、全国で同じ傾向が見られます。●長期優良住宅の認定の割合
・2010年度 認定長期優良住宅である73.7%
・2009年度 認定長期優良住宅である62.9%
もうひとつ、住宅性能表示についても同様の傾向がみられます。6割以上が採用していることに加え、下記のようにほとんどの項目において最高等級を取得している家がとても多いのです。「高齢者等配慮対策」だけは例外ですが、それ以外では、各項目で最高等級を取得している家が6~7割となっています。
●住宅性能表示制度で取得した最も割合の多い等級(2010年度)
・耐震対策/等級3 74.2%
・劣化対策/等級3 77.5%
・維持管理対策/等級3 73.0%
・省エネ対策/等級4 63.0%
・ホルムアルデヒド/等級3 73.5%
・高齢者等配慮対策/等級5 3.5%(最も多いのは等級1で30.9%)
性能は高く、建築費は安くなってきた
長期優良住宅や住宅性能表示を採用している住宅が増えていながら、前ページで触れたように、建築費はここ数年、減っています。延床面積も減っているのですが、坪単価を算出してみると、こちらも2008年度から、徐々に下がっています。●住宅延床面積と建築費
・2010年度 131平米(39.62坪)/3148万円/坪単価79.45万円
・2009年度 132平米(39.93坪)/3209万円/坪単価80.36万円
・2008年度 136平米(41.14坪)/3326万円/坪単価80.84万円
ということは、住宅性能は上がっているのに、建築費は下がっているということができますね。つまり、以前に比べれば、良質な住宅を安く建てることができるわけです。これは、今から家を建てる人にとっては朗報といえるでしょう。
良質なストックが生活を豊かにする
良質な家を建て、適切なメンテナンスをすることで次世代に住み継いでいける家になると思います