シンプルライフへのターニングポイントは禅寺!?
上杉さんの部屋の第一印象はモノが少ないこと。余計なものがどこにも出ていないので、もともと16畳と広めながらも、よりすっきりとより広く感じられます。とはいえ、上杉さん、もともと片づけ上手だったわけではないんだとか。モノを散らかさなくなったきっかけは、なんと禅寺。「大学4年生のときに禅寺で修行をしたんです。その当時就職活動中で内定をいくつかもらっていたんですが、『このまま就職していいものなのか、いいんだろうか。そもそも働くってなんだ、何のために働くんだろうか』と悩んでいて…。自分自身に問いかけてみようと思って、3ヶ月間山に住み込みました」と、上杉さん。
当時の生活は朝4時に起きて、修行僧と一緒に精進料理を作ったり、ボランティアとして街に清掃にいったり、座禅をしたり、お坊さんの説法を聞いたり…と遊び盛りの大学生には酷な日々。でも、そんな日々の中で得たのが「日常の作業(作務)は最大の学びである」ということ。「お坊さんの説法で『新しい情報を浴びるよりは、毎日の生活をもう少していねいに生きた方が心持ちが変わる』と聞いたのが日々の暮らし方を変えるきっかけになりました。自分の悩みに対する答えが出たわけではないけれども、仕事も人生の楽しみも生活スタイルの基盤の上にあるんだな、と気づいたんですよね」。
それから上杉さんは散らかった部屋を片づけはじめ、モノをどんどんと捨て、今のようなすっきりとした暮らしに落ち着いたそうです。「モノは少し足りないくらいで不便な方が幸せなんじゃないかな。モノがあると、それに頼ってだらけてしまうことがありますよね」と語ってくれました。
(左上)上記写真と反対側から撮影。(右上)仕事用のPCデスクと本棚。余計なものはひとつも出ていません。(左下)オーダーメイドのソファ。寛ぐときはここで本を読んだり、映画を観たり。(右下)小さいけれど、キレイに片づき、使いやすそうなキッチン。