幸せはお金で買えますか?
人は幸せになるために、いったいどのくらいのお金がいるのでしょう?億の単位でないと幸せになれないという人もいますし、2000万~3000万円ないと老後が心配だというサラリーマンもいます。ところが、お金で幸せは買えないという人もいます。どれが正しいのかはご当人の「幸せ」の定義によってきます。幸せとは、自由で楽チンで良い気分でいられることと私は思いますが、幸せとは上質の感情を持つことだという至言もあります。ならば、どんな気分が幸せと思えるかで、幸せになる必要条件が決まってきます。
高価な幸せ?安価な幸せ?
たとえば、誰よりも高い外車に乗って、誰よりも眺めの良い邸宅に住み、誰よりも美味しい食事を楽しむことが最高の気分だとすれば、それはずいぶん高価な幸せとなり、人との競争で得られる気分なのでなかなか長続きしません。その一方で、自然に恵まれた環境と好きな人と穏やかな毎日を送ることが最高の気分だとすれば、それにはお金はかかりません。高価でないからチープかといえば、そうでもありません。生涯愛せる人を見つけること、その人と添い遂げること、物欲に満ちた都会に背を向けることは、それなりにハードルの高い生き方ではあるからです。
結局は、良い気分とは人それぞれ、百人百様です。そして、良い気分という人生の成果は結果として手中に落ちてくるものではありません。こういう状態が「気持ちいいなあ」と想定する前提というか仮説があるから、人はそれを求め、得たときに脳が快感を認知するのです。「来た!わたしってシアワセ~」と。
投資する前に必要な人生ストーリー
幸せは、自分が描くストーリーによって潜在的に定義されています。そのストーリーによって、その人がお金をどの程度必要とするかも決まってくるわけです。それが投資の目標といってもいいでしょう。あなたが自分でストーリーを作らなければ、世間のストーリーに流されていきます。それは不安です。お金が足りない、お金がないと幸せになれない、お金が欲しい!と短絡的に思い込む前に、自分の望ましい人生ストーリーやライフプランを描くことから始めてください。そうしないとゴールのないマラソンのようになってしまいます。これだけあれば十分というゴール設定なしにお金を増やそうとするのは、毎日をひどくつらいものにしてしまうからです。
ストーリーを作るのは1人で考え込んでいてもむずかしいかもしれません。できれば、適切なコーチやメンターと共に考えること。身近にいる経験豊富な人生の達人に相談にのってもらうのもいいですね。人生のストーリーを描く、それがお金トレーニングのウォーミングアップなのです。