波乗りにも似た一体感
最高出力134ps/最大トルク160Nmを発生する1.6リッターエンジンを搭載。連続可変バルブタイ ミング機構(吸気側)やアルミ製のインテークマニフォールドなどを装備する。10・15モード燃費(ルノー測定値)は13.4km/l、パワーウェイトレ シオは8.9kg/psとなる
近頃のルノースポール系モデルに比べれば、さほど楽しくないじゃないか、と思いつつ、距離を伸ばすとだんだん気分がホットになってきた。なるほど、ステアリングフィールや前輪の動き、パワートレインの反応など、ダイナミクスは全般的にみてトゥインゴRSほどシャープじゃない。
それはそうなのだけれども、分かりやすいアジリティの代わりに、奥行きというか懐の深さというか絶妙なタメがあって、どこか波乗りにも似た感覚で、乗り手とクルマと続く道との一体感が深まり、絆が生まれる。
要するに、これはスポーツカーなのだ。5段マニュアルの変速機を上手に操って、コーナーでは狙いどおりのラインを走りぬけ、その連続をわがモノにできたと思ったときに、クルマ運転好きはとても幸せな気分に浸れる。かつては特別なことじゃなかった。どんなクルマでもそういう気持ちになれたはずなのに、今となっては特別……。
ファッショナブルな見栄えのみならず、機械を操る楽しさがあって、しかも贅沢なオープンエア。小さいからだに魅力を詰め込んだ、というあたり、合理主義で本当はケチなフランス人気質が爆発したモデルだと思う。やっぱり日本のメーカーには、作れない。
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ルノー・ジャポン