ルノー/その他のルノー車

小さくても魅力満載、オープン“スポーツ”ウインド(2ページ目)

回転格納式のルーフをもつ2シーターオープン、ルノーウインド。ミドシップスポーツカーのようなスタイリングと、オープンゆえのファッショナブルさ、そしてRSゆずりの痛快な走り……、小さいながらも魅力満載、そしてフランス味もとても濃いモデルです。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド


波乗りにも似た一体感

ルノーウインド

最高出力134ps/最大トルク160Nmを発生する1.6リッターエンジンを搭載。連続可変バルブタイ ミング機構(吸気側)やアルミ製のインテークマニフォールドなどを装備する。10・15モード燃費(ルノー測定値)は13.4km/l、パワーウェイトレ シオは8.9kg/psとなる

トゥインゴの、ゴルディー二RSをベースにしたと聞いていたから、いきなりスパイシーな走りを期待して乗り込んでみたけれど、ファーストインプレションはちょっと違った。オープン化による圧倒的な開放感と、オープンエアを得るための重量増によるどっしり感とが相まって、弾力性のある、妙に人懐っこい乗り味でスタートした。

近頃のルノースポール系モデルに比べれば、さほど楽しくないじゃないか、と思いつつ、距離を伸ばすとだんだん気分がホットになってきた。なるほど、ステアリングフィールや前輪の動き、パワートレインの反応など、ダイナミクスは全般的にみてトゥインゴRSほどシャープじゃない。

それはそうなのだけれども、分かりやすいアジリティの代わりに、奥行きというか懐の深さというか絶妙なタメがあって、どこか波乗りにも似た感覚で、乗り手とクルマと続く道との一体感が深まり、絆が生まれる。
ルノーウインド

5速MTのみを採用。エンジンやミッションはトゥインゴのスポーティな最上級モデル、ゴルディーニRS(ルノー・スポール)と同じ


要するに、これはスポーツカーなのだ。5段マニュアルの変速機を上手に操って、コーナーでは狙いどおりのラインを走りぬけ、その連続をわがモノにできたと思ったときに、クルマ運転好きはとても幸せな気分に浸れる。かつては特別なことじゃなかった。どんなクルマでもそういう気持ちになれたはずなのに、今となっては特別……。

ファッショナブルな見栄えのみならず、機械を操る楽しさがあって、しかも贅沢なオープンエア。小さいからだに魅力を詰め込んだ、というあたり、合理主義で本当はケチなフランス人気質が爆発したモデルだと思う。やっぱり日本のメーカーには、作れない。


【関連サイト】
ルノー・ジャポン

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます