結婚していない子どもと、その親にペナルティを与える法律
私は、なぜ結婚しないと子どもは育てられないと思っていたのかな……?
日本の民法は、母子家庭の中でも、結婚していない非婚のシングルマザーを、離別・死別のシングルマザーと区別し、税制面で不平等に扱い、結婚していない男女の間に生まれた子どもを婚外子として差別し、ペナルティを与えています。
税制上の不平等の例として、寡婦控除があります。離別・死別による母子世帯の母親が受けられる税法上の優遇措置で、所得税や住民税が安くなります。しかし、一度も結婚していない母親は控除の対象になりません。住民税は、保育所の保育料や国民健康保険の算定基準にも使われているので、寡婦控除がないことでの負担は広範囲に及ぶことになります。
次に、結婚していない男女の間に生まれた子どもは、戸籍上では非嫡出子(婚外子)として区分され、父親が認知をしている場合でも、遺産相続を受け取る権利が嫡出子(婚内子)の半分になってしまいます。
未だに婚外子にペナルティがあって当然なのか?
一般に、「婚外子」と言うと、不倫による2号さんや愛人の子どもを連想し、否定的なイメージを持つ人が少なくありません。そして不倫される側に立った嫌悪感から、不倫した女性は差別されて当然という風潮が今でも残っています。また、非婚シングルマザーが、「父親がいなくて、子どもが可哀そう」と言われるのも不倫を想定している発言です。離別、死別とは違う、悪意のある不必要な憐れみです。ペナルティを与えている法律があるゆえに、一般の人達も、非婚シングルマザーや婚外子を、不適切なものと、差別を正当化する根拠になっていると言えます。