まずはカーナビの記憶媒体の変遷を知ろう
ゲーム機と兼用の富士通テン「カーマーティ」。こんなCD-ROMナビもありました。
カーナビが誕生した1990年代初頭、地図データを記憶するメディアはCD-ROMだった。容量は640MB。1枚のディスクに収録できる容量に限りがあるため、今から見ると地図はスカスカ。全国版CD-ROMには詳細市街地図が収録されておらず、詳細市街地図を見たい場合は、全国の地図を複数のディスクに分けて収録した地域別の詳細版が必要だった。
カロッツェリアのCD-ROMナビ、AVIC-G9は6連奏チェンジャータイプ
またカロッツェリアのカーナビ(当時はGPSカーコンピュータとかサテライト・クルージング・システムと呼んでいた)2号機、AVIC-G10などは、6連奏CDチェンジャーを使い、走っている場所に応じて地図ディスクの自動交換を行う方式のものもあった。
DVDナビの登場で大容量化が加速
DVDナビの登場で情報量は格段に上がった
記憶メディアの大容量化を図って、DVDナビが登場したのが1997年。発表はパナソニックが先、発売はカロッツェリアが一足早いという微妙なタイミングだが、パナソニックが世界初を謳っている。ちなみにDVDナビの容量は片面1層で4.7GB、片面2層で8.5GBだ。そのDVDナビが大容量&高機能ナビとして活躍したのもつかの間、より大容量を獲得するべくHDD(ハードディスク)ナビが登場したのは2001年。当初、HDDの容量は10GB程度だったが、年々20GB、40GB、60GB、80GBと、容量をアップしている。
そして現在。大容量&高機能ナビとしてのHDDナビは健在。一方で、普及版カーナビとして地図データの記憶メディアにフラッシュメモリーを採用した、いわゆるメモリーナビが登場した。いま、カーナビを記憶メディア別で分類すると、メモリータイプとHDDタイプの2つに大別できる。