IKEA「取り扱い説明書」はノックダウンの教科書
ノックダウン……別にブン殴っても壊れない!と言うンではないのです。「ノックダウン」とは『組立式』の意味。誰もが簡単に組立てることが出来るノックダウンはIKEAもファニチャーコンセプトなのです。
椅子にかぎらずIKEAファニチャーの組立て方を分かりやすく解説した「取り扱い説明書」はノックダウンの教科書です。
さて、「POÄNG/ポエング」をデザインした人が日本人デザイナーと聞くとさらに親近感が増しますね。
デザイナーは中村昇氏。中村氏は1973年から6年間、日本人最初のIKEA専属デザイナーとしてスウェーデンで多くの商品を開発し、30年以上のロングセラー商品:アームチェア「POÄNG/ポエング」の生みの親。開発当時は、フレーム製造やパッケージング等の工程において、厳しいチェックがなされたと聞きます。
………入社した1973年、所属した開発部デザイン課のメンバーはボスを含めてたったの5人、外国人は中村さんとチェコの男性2人だけ。?
「とにかくノックダウン(低価格で組み立て式)しろ」という会社からの指令をうけ個性あふれるメンバーは、次々に多くのデザインを生み出していきました。
毎年6月に開催された本社エルムフルトでのプレス用プレゼンでは、最初の作品NACKA(ナッカ…これは中村さんのニックネームなんだそうです)を30 秒で組み立ててみせたとか。
研究を重ね、入社4年目に創りだしたPOÅNG/ポエングが商品化へ成功。………(引用:IKEA Blog/イケアのオフィシャルブロクから)
さて、最後にこのアームチェア「POÄNG/ポエング」もうひとつの魅力。
それは「25年」保証という消費者と品物を大切にするIKEAのプロダクトコンセプトです。
具合が悪くなれば修理や手直しをする方が高く付くから粗大ゴミにして再度購入し、安価商品(プロダクト)で溢れている昨今暮らし・モノ環境……筆者は「ゴミプロダクト」と呼んでいます。
この暮らし・モノ環境に一石を投じるIKEAのデザインコンセプトが超ロングセラーを続ける所以でもあるのでしょう。
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