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鶴見、丘、川、海のある国際的な街(2ページ目)

JRの京浜東北線、鶴見線と京浜急行が乗り入れる鶴見(横浜市鶴見区)は西側に丘陵、東側に鶴見川、さらに東には東京湾と起伏に富んだ地形の街。平成22年の東口再開発以降も表情を変える街を見てきました。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド


通勤時には始発あり。
京急利用で羽田、成田へも便利

鶴見駅ホーム

鶴見の街を歩いていてよく見かけたのは子ども連れのファミリー、若い年代。お菓子の広告が目に付くが、その工場も鶴見川沿いにある

最初に足回りについて。京浜東北線鶴見は平日朝8時、9時台には上りの始発電車があり、座って通勤できる駅のひとつ。都心だけでなく、川崎、横浜にも直通している点も人気です。JRではもう1線、鶴見線が走っていますが、これは臨海の工場などへの通勤の足として使われています。

 

京急鶴見駅

高架になっている京急鶴見駅。東西問わず、予備校、学習塾も多い

京急線は湾岸部を通り、品川で都営浅草線と乗り入れ、さらに京成線とも乗り入れているため、都心部、成田空港までのアクセスが良く、エアポート急行を利用すれば羽田空港へも20分ほど。国内他都市、海外へも便利な場所です。

 

西口駅前の商業施設

駅西口すぐ前にはスーパーや専門店、区の公会堂の入ったビルがあり、バスロータリーと接する。現在自転車置き場建設のために工事中

バス便の発着が多いのも交通面ではポイントのひとつ。西口側からは新横浜や東急東横線綱島、菊名間を結ぶ便が時間帯によっては5分間隔ほどで出ており、夜も路線によっては23時、24時まで運行。高台の住宅地への足になっています。

 

西口には緑濃い丘陵、
歴史ある寺社も

總持寺

境内に入ると静かな別世界が広がる、大本山總持寺。平成23年で移転から100年

続いて駅周辺を西口側から見ていきましょう。西口側では駅前の大型商業施設、ロータリーの西側に急な登り坂があり、濃い緑の高台が見えます。これが永平寺と並び、曹洞宗の大本山である總持寺で、明治44年に能登から移転。石原裕次郎の墓所があることでも知られています。お寺の隣には鶴見大学もあります。

 

西口の風景

写真中央、バスロータリーの向こうに少し見えている緑が總持寺とその背後に続く丘陵地

総持寺より南側はずっと高台が続き、鶴見駅から東急東横線菊名や綱島に向かうバスに乗ると、そのアップダウンの大きさに驚かされます。この丘陵エリアには自然が多く残されており、区では旧家や寺社、公園を散策するコースなどを作っています。

 

豊岡商店街

駅東口、しばらくは京浜東北線と並行、鶴見川方向に伸びる豊岡商店街。新旧の店が並ぶが、生鮮食料品店はほとんどない

西口には元々鶴見川から總持寺まで資材を運ぶルートとして作られたという豊岡通りがあり、現在は商店街に。この通りを抜けると、さらにアーケードのある商店街が続き、生活の便利さが伺えます。個人的には駅から離れた商店街に八百屋さんが多かったこと、商店街と背後の住宅街が水平にではなく、垂直に見えたことが印象的でした。

 

再開発で街並みに変化、
現在は駅ビル建設中の東口

東口全景

写真右手、建物の隣が京浜東北線鶴見駅東口、中央のタワーとそこに隣接するのが再開発エリア、左が京急鶴見駅

次に東口。京浜東北線鶴見駅は京急鶴見駅駅とロータリーを挟んで向かいあっており、平成22年秋にはその両駅の間の再開発が終了、31階建てのタワーマンションを含む、複合的な施設が作られました。一画の名称はシークレイン。海、見るのシーと鶴のクレインから名付けられたそうです。

 

国際交流ラウンジ

複数の言語での応対が可能な国際交流ラウンジ。語学講座、ボランティアの養成などを行っている

この建物の2階には鶴見区民文化センターセルビアホールなどの公共施設が入っているのですが、街の雰囲気を表わすのが鶴見国際交流ラウンジです。鶴見区は区民の28人に1人が外国人という、市内でも2番目に外国人が多い自治体で、約80カ国の人が住んでいます。ここは外国人支援や多文化共生促進のために作られた施設で、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、タイ語など多言語での相談に応じたり、語学講座を開くなどの活動をしています。実際、街でもいろいろな国の人の姿を見かけましたし、南米、アジア料理店なども点在。日常的に国際化を感じることができます。

 

東口駅ビルの広告

現在工事中の東口駅ビル。横浜駅西口にあったCIALが登場する

鶴見駅には長らくカミンという駅ビルがありましたが、老朽化などの理由から取り壊され、現在は工事中。平成24年(2012年)にはCIALとして生まれ変わる予定で、生活密着型の店が多い鶴見に新風を吹き込むのではないかと期待されています。

 

飲食店街

京急線高架沿いから伸びる飲食店街。アジア各国の店名が並んでいる

京急鶴見駅は高架下にスーパー、ファーストフード店などが入っており、高架脇には飲食店の並ぶ小路も。スナックや風俗店などもあり、いささか猥雑な雰囲気。いろいろな表情のある街です。

 

区の行政機関も集中、
スーパー、商店街も多数

鶴見区役所

国道15号沿いにある鶴見区役所。周辺には規模の大きなマンションなども建てられている

鶴見は区の行政機関が集まっている場所でもあり、国道15号近くには区役所、郵便局、消防署、警察署、税務署などが立地しています。15号を越え、鶴見川沿いにはスーパー、家電量販店もあります。

 

沖縄食材店など

仲通り商店街にある沖縄食材店とレストラン。中華街のように集中していないので、訪問時には場所を確認してから行くことをお勧めしたい

鶴見川を越えると風景は一変。3~4階までの建物が中心になってきます。一戸建て、小規模なアパートなどが多く、中にはかなり古そうなビル、アパートも。駅から20分ほど離れた仲通りのあたりまでの間には沖縄食材を売る店、南米料理店などがもあり、わざわざ買い物、飲食のために訪れる人もいます。ことに沖縄ソバののぼりはあちこちで見かけました。

 

さて、最後に京浜東北線鶴見、京急鶴見の住宅事情を見ていきましょう。

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