住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのテクニック

新・間取りの考え方(2ページ目)

1960年代くらいまで、日本の一般的な住まいではちゃぶ台での食事風景が多く見られました。それが現在ではどうでしょうか?時代の変化とともに住まい方、家族の団らんのあり方が変わりました。時代の変化に合わせた「新・間取りの考え方」をご紹介します!

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

間取りをつくるのが難しい時代になった 

間取りは誰にでも作れます。ましてパソコンで容易につくることも出来ます。しかしながら間取りを考えることは難しくなってきたとも言えます。それは平均的な家族像を描き出すのが難しい時代になったことや、生活スタイルが日本スタイルばかりでなく欧米スタイルにもなり間取りにもそれほど差がなくなっているので幅広い捉え方が必要なってきたからです。


これからの住まいづくりの考え方 

ここ10年、住宅は耐震や性能のアップはもちろん、環境・省エネなど大きく変化を遂げてきました。もちろん間取りも個室重視で細かく仕切るのではなく、大きな空間を開放的で広がりのある構成になって来ました。さらにこれからの住まいづくりはどのような考え方をすれば良いのかを考えてみると・・・

・住宅は作品と言うより、ひとつの運動体と捉える
  →環境、地域の財産など

・用途を決めない空間を用意する
  →フレキシブルな使い方ができるスペースの確保

・大家族で家族が役割分担を持った住まい
  →二世帯同居の良さを見直す

・子どもの個室の作り方と与え方をしっかり考える
  →広さの確保ではなく会話がしやすいスペースづくり

・昔の日本家屋から学ぶ工夫
  →多少の不便さから会話を生み出している。人との気配。自然との気配。
    光への考え方を学ぶ

昔ながらの日本家屋

昔ながらの日本家屋



ガイド佐川のワンポイントアドバイス 

多少の不便さやメンテナンスが必要な材料はどちらかと言えばザラザラした感じがあります。一方機能的で便利なものや、メンテナンスフリーの材料はツルツルとしています。ザラザラとしたものは摩擦が起き、そこに何かが引っ掛かります。ツルツルしたものは当然反対です。建て主の心のなかにあるザラザラ感はひとりひとり違います。そのザラザラ感を表現していく。そこに設計の力量が試されているのかも知れません。やや抽象的ですが、これからの家づくりはザラザラ感を持って五感を刺激し、少なくとも気持ちの良い香りのある空間を目指していくのもひとつの答えではないでしょうか。
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