山口旅館で温泉満喫
山口旅館には多数の温泉がありますが、代表的なのは宿泊者専用の混浴露天風呂「滝の湯」です。名前の通り滝の近くにあり、一応見えるのですが、背後にある感じで見上げるのは辛い感じ。滝を眺める露天というよりは、周辺の緑の自然環境を楽しみながら、絶品の湯を堪能する露天だと思います。最大の特徴は、湯口で湯を確かめると硫黄の香りが強い事です。あまりにも硫黄の香りが強いので、近くの白濁硫黄泉である地獄温泉と地下で繋がっているのかと思う程。しかし、色が褐色ですので別の湯に違いありません。
地形的にカルデラでは名湯が湧くと同時に、至近距離でも全く異なった湯が湧く事が多いのですが、山口旅館では湯舟毎に源泉が異なるので、それが一目瞭然です。中でも、滝の湯の次に素晴らしい湯だと思うのが、露天風呂かじかの湯の岩風呂です。含硫黄-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩泉という複雑な泉質で、ほのかな硫黄臭が香る名湯です。一度冬に行った時は青味かかった湯の色になっており、やはり名湯は色まで違うのかと驚きました。
このように素晴らしい湯が多い山口旅館ですが、その多くは単純泉に分類されています。しかし、実際には単純泉とは思えない複雑な湯の良さを満喫できる名湯揃いなのです。私はこの宿を褒める人は、湯の違いが分かる本当の温泉好きだと思いますし、この宿の湯の良さを知れば知る程、自分の温泉鑑定眼を試されているのではと思ってしまいます。もちろん気楽に浸かって頂いて何の問題もないのですが、非常に奥深い湯の素晴らしさを知る事こそ、温泉の醍醐味だと思うのです。
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