向附はウサギが描かれた古染付写しの器で
淡路の鯛はプリプリで旨味もたっぷり、青森のよこわも上質で、添えられたすりおろしも「長芋」と「山芋」のブレンド、大根のケンも手刻み、と実に細やかな仕事が施された一皿となっています。魚介のセレクションや工夫の凝らし方も素晴らしいですが、料理も器も楽しめるサービス精神も、さすが!
・八寸
季節感あふれる演出
秋が凝縮された八寸
これが5775円コースの八寸とは畏れ入りるというか、まさに芦屋の奇跡。まっこと感服です。
・加茂茄子の田楽
加茂茄子の田楽
まず、田楽味噌には「鱧の子」が練り込まれており、さらに出汁で薄く伸ばすことで田楽味噌特有のくどい濃さが、食べやすい上品な味わいになっているんです。しかも! 田楽の上にはシャラン鴨と三度豆、粟麩の揚げ物、紫蘇の花が散らしてあり、見た目だけではなく、食感や旨味の複雑さ・奥深さが生み出されているのです。
さらにさらに、使われている加茂茄子も朝とれたての茄子を使用されているので、一口毎に加茂茄子が持つ真味と鮮度が伝わってきますし、この加茂茄子自体が芦屋の野菜王子こと福原さんが届けられたものなので安心安全・質の高さも抜群なのです。
最高の素材と、それを活かしきる料理長の実力。美味しいのはもちろん、食べていても身体が喜んでいる気さえする逸品でしたね。
次ページでは、飯物や水菓子などを御紹介します