「高画質」な映像を楽しむための接続方法は?
同じ映像を伝送するにも、その方法は多種多様で、デジタル、アナログを含め、何種類も存在します。基本は、利用している機器で最も高画質な接続方法を利用することです。画質が”良い順”に解説します。1. HDMI(エイチ・ディー・エム・アイ)
ハイビジョン、フルHDの高解像度画質や3D映像の伝送にも対応できる、最新のテレビやレコーダーで最もポピュラーな接続方法です。非圧縮のデジタル方式で、原則、画質の劣化はありません。ケーブル1本で、音声もデジタル方式で伝送できるので、配線がスッキリとするなど、利便性が高いのも魅力です。
HDMIは、その他にも機器の情報をやり取りしたり、コントロール信号を伝送できるので、解像度の設定が自動で行われたり、レコーダーの電源を入れるとテレビの入力が自動で切りかわるような連携も可能(製品の機能による)で、操作が苦手な方にも適しています。可能な限り、HDMIを優先して利用しましょう。
HDMIケーブルにはバージョン番号が記載されている場合がありますが、”Ver. 1.3”以降または”ハイスピード”の表記があるもの、あるいは、現在店頭に並んでいる製品であれば、新旧のテレビやレコーダーで概ね問題無く使用できます。手持ちの古いケーブルを使用して、3D映像が映らないなどの症状が出る場合は、3D映像の伝送に対応したHDMIケーブルに取り替えて試してみましょう。
なお、端子の種類は機能やサイズによって4種類あり、使用する機器に適したケーブルを選ぶ必要があります。変換アダプターの利用も可能です。
HDMIケーブルの製品例:
2. D端子(ディーたんし)
端子の形状が「D」の形をしている事から、D端子と呼ばれています。伝送される映像信号はアナログのコンポーネント(色差/しきさ)信号で、ハイビジョン、フルHDの高解像度に対応しています。
D端子は、映像信号に加えて、プレーヤー側から画面アスペクト比(縦横比)などの情報をテレビに伝える事ができるので、4:3や16:9など、様々な縦横比で収録されたDVDを再生しても、テレビ画面には、自動で適切な縦横比及びサイズで表示できます(注:プレーヤーやテレビの設定、再生するDVDによっては、自動で適切に表示できない場合もあります)。
D端子を流れるコンポーネント信号はアナログ方式なので、ケーブルのグレードによっては伝送途中で電気的なノイズによる影響を受けたり、長距離では信号が減衰して、画質が劣化する可能性があります。ケーブルを購入する際は、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
D端子ケーブルの製品例:
3. コンポーネント(アナログ)
ハイビジョン、フルHDの高解像度に対応しています。クオリティーのレベルはD端子を流れるコンポーネント信号と同じですが、アスペクト比など付随する情報を伝送する事ができません。また、独立した3つの端子を接続する必要があるので、初心者は接続ミスに注意が必要です(コンポーネントをより確実に接続しやすくしたのがD端子です)。
コンポーネント信号はアナログ方式なので、ケーブルのグレードによっては伝送途中で電気的なノイズによる影響を受けたり、長距離では信号が減衰して、画質が劣化する可能性があります。ケーブルを購入する際は、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
ちなみに、画質にこだわるマニアの場合、1本に纏めたD端子ケーブルよりも、3本の独立した太いケーブルで伝送できる点でコンポーネント接続を好んだり、1mで数万円もする高価なケーブルを利用するユーザーもいます。
コンポーネントケーブルの製品例:
4. S-Video(エス・ビデオ)
旧来の標準画質(ハイビジョン以前の解像度)のアナログ映像信号を伝送できます。輝度信号(白黒映像)と色信号を分離した状態で伝送するので、後述のコンポジットに比べて色の滲みが少なく、比較的高画質と言えます。
S-Videoは、アナログ方式なので、ケーブルのグレードによっては伝送途中で電気的なノイズによる影響を受けたり、長距離では信号が減衰して、画質が劣化する可能性があります。ケーブルを購入する際は、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
S-Videoケーブルの製品例:
5. コンポジット
よく見かける、黄/赤/白ケーブルの黄色に相当します。今回紹介する接続方法の中では最もシンプルかつ一般的で、基本的な接続方法と言えます。古い映像機器では、このコンポジット端子しか備えていない製品も多く、最新のテレビやレコーダーも後方互換の意味合いから、ほぼ100%、コンポジット映像端子を搭載しています。
コンポジットケーブルの製品例:
次のページでは、映像の「変換」や「分配」について解説します!