電気自動車・EV/電気自動車・EV基礎知識

“100万円台”電気自動車の落とし穴(2ページ目)

東京電力管内の電力制限令が9月9日に解除されるなど、電気自動車の取り巻く環境も好転してきた。そんなことから日産と三菱自動車は電気自動車のテレビCMなどを流し始めている。なかでも注目されているのが、電池の搭載量を減らして価格を引き下げてきた三菱自動車だ。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

走行可能距離だけじゃない懸念点

三菱・キャブMiEV

2011年末発売予定のミニキャブMiEV。三菱が投入したふたつ目の電気自動車は、意外にも商用車!

決定的なのが動力性能不足である。16kWhのタイプは64馬力のモーターを採用しているのに対し、10.5kWhタイプだと41馬力しか無い。ターボ無しの軽自動車だと52馬力。パワー不足じゃないか?と心配しながら試乗してみたら「やっぱり!」でございました。

平坦地なら何とか実用に耐える加速をしてくれるものの、登り坂だと厳しい。40km/h以上の速度域になると、アクセル全開にしたってジワジワとしか加速していかない。坂を上りながら走行速度高い追い越しに合流する首都高速の高井戸ICなど、このパワーだと相当怖い思いをするハズ。

一番オイシイのは離島に住む人

三菱・キャブMiEV

価格の安い10.5kWhモデルだが、走行可能距離・動力性能でやや難アリか? おすすめできるユーザーは限られてくる

商用車タイプのミニキャブMiEVは16kWh仕様が補助金使って205万円(走行可能距離はカタログ値で150km)。10.5kWh仕様だと170万円(同100km)。これまた電池容量少ないタイプだと走行可能距離不足に悩まされると考えます。買うなら16kWh仕様を強くすすめておきたい。

繰り返しになるが、高速道路のない離島やガソリンスタンド過疎地域になった場所で使うなら、10.5kWh仕様で十分だと考えます。またガソリンの高い離島の場合、リッター10km走るとして1万kmで20万円。電気自動車なら電気代4万円。5万km走るとガソリン代と電気代の差が80万円(!)にもなります。
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