コンサバマーケットを狙った、オーソドックスなスタイル
7年ぶりにモデルチェンジを受けた5ドアハッチバックモデル。国内ではベーシックなセダクション(256万円)とパノラミックガラスルーフを備えたセダクション パノラミックガラスルーフパッケージ(273万円)、上級モデルのエクスクルーシブ(299万円)をラインナップする。なお、エクスクルーシブにはガラスルーフが標準となる
けれども、今回フルモデルチェンジした新型C4のデビューは比較的、ひっそりとしていたようだし、見た目の派手さも以前ほどはない。本当にフルモデルチェンジしたの? と確かめずにはいられなかったほど。
おそらく、これには最近のシトロエンのシリーズ戦略が影響しているのだと思う。先に全面改良をうけたC3&DS3と同じく、C4にもDS4という派生スペシャリティモデル(クロスオーバータイプ)が存在する。そちらが派手に目立ってしまうぶん、ベースモデルは直球勝負で激戦のCセグマーケットへ切り込もう、というハラに違いない。
日本仕様として用意されたのは、1.6リッターの自然吸気エンジン+4ATを積むセダクション系が2グレード、そして直噴1.6リッターターボ+6段セミAT(2ペダルMT)を積むエクスクルーシブの、計3グレードだ。
試乗したのは最上級のエクスクルーシブだった。やっぱり実物を見ても、大人しくなった印象を拭えない。顔つきこそ派手だけれども、ぜんたいのフォルムは平凡で、言ってみればCセグメントの標準スタイル。丸い馬車のような雰囲気だった旧型が、ちょっと懐かしい。
エッジの利いたサイドキャラクターラインやそれに続くリアランプなど、ディテールには凝っているけれど、なぜか見た目の印象が大人しい。旧型に比べると、それだけ印象に残りにくいのは確かで、コンサバなマーケットを狙ったことは一目瞭然だ。
インテリアに至っては、さらに常識的で真面目な雰囲気になった。旧型の、たとえばセンターフィクスドステアリングホイールなど、ぶっ飛んだインテリアとはまるで違う、オーソドックスなコンセプトである。
それでも、見栄え質感がかなり上がっている点が目を引く。そういう意味では、クリーンなデザイン性や様々なマテリアルの配し方など、プレミアムコンパクト級レベルに仕上がったと言っていい。