解消方法
PSP版『MHP3HD』は、開発者インタビューにおいて、SCE側の働きかけであったことが明らかにされている。おそらくはこれからも同様のコンセプトを持ったタイトルが発売されることだろう。
しかし、非常に大きな影響力を持ったビッグタイトルを第一弾に選んだため、大きな問題点が浮き彫りになってしまったとも言える。
おそらくはPS3版の制作労力を省いたことが直接の原因だろう。
例えば同様のコンセプトを持った『メタルギアソリッド ピースウォーカー HDエディション』の場合、画面表示はPS3に最適化された形で再配置されている。また、セーブデータの共有についても独自の手法を取るようだ。
『メタルギアソリッド ピースウォーカー HDエディション』
リマスターに当たって、PS3の特性に留意し、ユーザビリティを考慮することが最低限必要であることは言うまでもない。
PS3版『MHP3HD』は、おそらくはPSP版との互換性のため多くを犠牲にしたということだろう。
これからも続くリマスターの流れ
ゲーム開発費の肥大化については日頃から言われている事ではあるが、その回避策の一つとして、PS2、PSPのタイトルをリマスタリングしてPS3で発売するというのは有効だ。9月にはPS2で好評だった『ICO』『ワンダと巨像』がPS3で発売されるし、PS2版『メタルギアソリッド2』『メタルギアソリッド3』もワンパッケージでPS3で発売される。
その際も、細部まで手を抜かずにPS3に最適化されているかどうかがユーザー評価に反映されることになるだろう。
すでに発売されている『ゴッド・オブ・ウォー・コレクション』はPS2版の『ゴッド・オブ・ウォー』『ゴッド・オブ・ウォー2』をHDリメイクした作品だが、今プレイしても十分に楽しめるほど完成度が高い。
しかし、ゲーム中のムービー部分のみがHD化されていないというなかなかに残念な仕様となっている。
しかし今のところ、それを不満点として指摘する声はあまり多くない。
プレイヤーの絶対数が多くないということもあるだろうが、ゲーム本編が良くできていることから、相対的に不満がクローズアップされ難いということかも知れない。
ユーザーは、その作品がリマスターであっても当然厳しい目でチェックする。
PS3版『MHP3HD』はさしあたって、早急に「アドホックパーティ」周りの改善、セーブデータ消失に対する注意の喚起を行うべきだろう。
始まったばかりのPSPリマスターを、生かすも殺すもこのフォロー次第と言っても言い過ぎではない。