石川尚のスケッチコラム「椅子のある風景」#30

丸の内に建つ「古のレンガ建築」:三菱一号館美術館


どこにいても、「何気なくある椅子」が気になる。
そして、その場所、空間の一部になりきっている風景がそこにある。
 
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東京、丸の内。
ここは、東京駅から徒歩で5分ほどのビジネス街のど真ん中。
都会の喧噪を忘れてしまう緑園と古の赤煉瓦に包まれた空間、……そして、大好きな椅子の風景が、ここにある。

赤煉瓦の正体は、1894年に原設計された三菱一号館。明治期の重厚な設計思想をそのまま残し、2010年4月に改築オープンした新しい都市型美術館:三菱一号館美術館である。

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『三菱一号館は、 1894(明治27)年、開国間もない日本政府が招聘した英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された、三菱が東京・丸の内に建設した初めての洋風事務所建築。(コンドルは、鹿鳴館や三菱創設者:岩崎弥太郎の孫、岩崎久弥によって立てられた旧岩崎邸を設計している)
当時は館内に三菱合資会社の銀行部が入っていたほか、階段でつながった三階建ての棟割の物件が事務所として貸し出 されていた。この建物は老朽化のために1968(昭和43)年に解体されたが、40年あまりの時を経て、コンドルの原設計に則って同じ地に蘇った。
復元に際しては、明治期の設計図や解体時の実測図の精査に加え、各種文献、写真、保存部材などに関する詳細な調査が実施され、また、階段部の手すりの石材など、保存されていた部材を一部建物内部に再利用したほか、 意匠や部材だけではなく、その製造方法や建築技術まで忠実に再現するなど、さまざまな実験的取り組みが行われた。
19世紀末に日本の近代化を象徴した三菱一号館は、2010年春、東京・丸の内のアイコン、三菱一号館美術館として生まれ変わった。』(引用:美術館概要書)
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美術館と併用してある「Café 1894」。
明治期には銀行の営業窓口として使われたフロアを、開放感のある二層吹き抜けのカフェ空間にしてある。天井、壁、床、柱に見られる荘厳な英国スタイルの室内装飾と心地よい空間は、一瞬の内に「古の時」へと誘ってくれる。

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ランチタイムは、江戸東京野菜を中心に使った各種ランチプレートがあるほか、4種類の料理が楽しめる週替りのランチプレートもある。夜は、ワインやビールと一緒に本格的な肉料理などもアラカルトで楽しめる。

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デザート付きのランチプレートを所望し、これまた至福のひと時となる。

ゆったりとした椅子に身体をあずけ、チョコレート色の天井にさす淡い光を眺める。

「古の時」と一体になる椅子の風景が、ここにもある。


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三菱一号館美術館








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