西郷理恵子の恋愛コラム/西郷 理恵子の恋愛情報

恋愛大国フランスでは、なぜ結婚に人気がないのか?(3ページ目)

フランスといえば、恋愛大国というイメージが強いですが、実際のところはどうなのでしょうか?2011年3月に『ママより女』(小学館)を出版されたフランス人ジャーナリスト、ドラ・トーザンさんに、フランス人の恋愛観や結婚事情について、そして日本との違いなどについて伺いました。

西郷 理恵子

執筆者:西郷 理恵子

恋愛ガイド

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女性の仕事と子育て

ドラ・トーザンさん最新著書『ママより女』(小学館)

ドラ・トーザンさん最新著書『ママより女』(小学館)

西郷:日本の働く女性は、「仕事」を取るか「子供」を取るかの二者択一を求められることが多いですが、フランスでは、そういう問題はありますか?

ドラさん:ほとんどないですね。出産と育児休暇を取る女性は、正社員でも、契約社員でも、パートタイマーでも、「3年間は、現状の職場の地位を保障する」制度があり、元のポジションに戻って仕事に復帰できます。守らない雇用主には罰則規定もあります。だから、子供のためにキャリアを捨てるなんてことはしません。

女性の就労率に関して、日本のように、25~45歳の出産・育児期に下がって、M字型カーブを描くことはありません。日本では、優秀でキャリアのある女性までが、出産を機に仕事を辞めることが多いですが、なんとももったいないことなんでしょう。会社にとっても、国家にとっても、大きな損失じゃないかしら。

そして、子どもは3歳になれば全員が「マテルネル」という保育園のような公立学校に無料で入ることができます。学校は、朝8時半から夕方5時までですが、両親が働いている場合は、朝7時半から夕方6時半まで預かってくれます。これも働く女性には大きなサポートですよね。もちろん男性にとってもですが。日本にも「マテルネル」があれば、全然違うと思います。日本の学校は6歳からで遅いですよね?

ちなみに、0歳から3歳の子どものための保育所もあります。さらにベビーシッターは仕事のためでなく、夜に映画やディナーなどの娯楽や夫婦だけの時間を過ごすために利用する人が多いです。

日本で論争になっている「子供手当」も、フランスでは、所得の大小に関係なく、皆に用意されています。特に2人目以上の子どもには、少子化対策の観点から、より手厚くなります。シングルマザーでもシングルファザーでも、収入が少なくても、子供を持つことができるんです。だから、「子どもが欲しいなら、まず結婚しないといけない」とか「子どもができたらから、結婚しないといけない」という考え方はフランスでは少数派ですね。「子供は欲しいときに産む」という選択の自由が大事だと考える人が増えています。
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